プロが伝授!狭い部屋が片付く5つの収納術とよくあるお悩みの解決法

プロが伝授!狭い部屋が片付く5つの収納術とよくあるお悩みの解決法

ワンルームの部屋のイメージ

ワンルームのような狭い部屋でも、すっきりとおしゃれに見せる収納テクニックを住空間収納プランナーがレクチャー。配色や目線の工夫から、便利な収納アイテムの紹介まで5つの収納のコツをお教えします。部屋に備え付けのクローゼットがないときはどうする?など収納にまつわる定番のお悩みにも答えてもらいましたので、ぜひ参考にしてみてください。

狭い部屋でもアイデアや工夫によって快適に

片付けのイメージ

「部屋に十分な収納スペースがない!」「手持ちの収納家具には収まりきれずモノがあふれてしまう…」そんな経験はありませんか?特に部屋があまり広くない場合、どう収納すればよいか頭を悩ませる人は多いもの。

そこで、この記事では住空間収納プランナーとして数多くの家の片付けをサポートしてきた「KUUKI(くうき)」のわたべさんと、つかはらさんに、狭い部屋でもすっきり広く見えるコツを教えていただきました。

1つの空間にキッチンと居住スペースが収まるワンルームや、居住スペースとなる部屋とは別にキッチンが付いた1K、戸建てでも4畳半の間取りなど、一口に「狭い部屋」といっても状況はさまざま。

特に、進学や就職で引っ越したり、実家を出て1人暮らしを始めたり、予算や場所が制限されて、満足のいく部屋選びができない場合もあるでしょう。そんなときでも工夫次第で、すっきり片付いた部屋に見せられるコツをお伝えします。

 

狭い部屋をおしゃれに広く見せる5つのコツ

狭い部屋をおしゃれに、広く見せるためのテクニックを以下の5つのコツにまとめました。心理的な効果を狙ったものから荷物の収納術まで、いずれも実践しやすいコツなのでぜひ試してみてください。

狭い部屋を広く見せる5つのコツ

  1. 配色や目線を工夫して部屋を広く見せる
  2. 家具選びは収納を意識する
  3. 収納スペースは隙間を有効活用
  4. 定番の収納グッズを使いこなす
  5. 外部の収納サービスを利用する

1.配色や目線を工夫して部屋を広く見せる

明るい色で統一された部屋のイメージ

家具やインテリアは明るい色を選ぶ

1人暮らしの部屋はついつい好きな家具やインテリアで、自分好みにカスタマイズしたくなるもの。部屋をすっきり見せるなら、まずは“配色”を優先させましょう。

新しく購入する収納用品や家具は、壁や建具など部屋自体の色味にテイストを合わせると統一感が出ます。おすすめは白やベージュなど明るめの色。逆に黒や濃いブラウンは部屋に圧迫感を与え、狭く見えてしまうので要注意です。

また、主張の強い家具が多いと部屋が散漫な印象になってしまい、狭さが強調されてしまいます。気に入った家具は数点に抑えて、部屋全体の配色バランスや収納力を優先させるのもポイントです。

目線を意識してモノを置く

モノが少ないテレビ周りのイメージ

部屋に入って最初に視線が集まるフォーカルポイントや、家で長く時間を過ごす場所から見える範囲を片付けると、途端にすっきりとした印象になります。例えば、ソファに座ったときによく見えるテレビ周りにはモノを置かない、仕事デスクを窓に向かい合わせで設置するなどが効果的です。

また、背の高い本棚など壁を隠してしまうインテリアは圧迫感が出てしまいがち。できるだけ背が低い家具を選ぶと目線が低くなり、天井が高く見えるなど空間の余白を感じることができます。

2.家具選びは収納を意識する

棚板が可動する収納家具のイメージ
収納家具は棚板が動くタイプがベスト(写真提供:KUUKI)

収納家具は中にしまうモノをイメージして購入

家具を選ぶときは、ついデザインに目がいきますが、収納家具であれば「何をどのくらい収納するか」を事前にイメージすることが大切です。収納するもののサイズや量を把握し、そのうえで好みのデザインを選べば失敗が少なくなります。

例えば引き出しなら、まずは奥行きや高さから収納力を確認します。収納するものによっては浅すぎて入らなかったり、逆に深すぎて中が整理しづらかったりするので注意しましょう。奥まで引き出せるフルオープンのタイプは使い勝手がよく重宝します。

収納用の棚が付いている家具は、棚板が可動するタイプを選びましょう。扉付きのものなら、地震などの揺れで開かないようにする金具(耐震ラッチ)が備わっていると安心です。

主要な家具は収納付きのタイプがおすすめ

収納力が高い跳ね上げ式ベッド

部屋が狭い場合、収納力があるベッドやテーブルを選ぶとモノがしまえて便利です。ベッドなら足高で下に衣装ケースが入るタイプを、テーブルなら引き出し付きを選びましょう。

特に、ベッドの下は狭い部屋でも大容量の収納スペースを確保できます。少々お値段は張りますが、跳ね上げ式のベッドならスーツケースなど大きな荷物もラクにしまえるでしょう。

3.収納スペースは隙間を有効活用

部屋によっては備え付けの収納スペースが十分ではないこともしばしば。欲しい場所に収納スペースがない場合でも、ちょっとした工夫で収納できる空間を生み出せます。以下、部屋の場所ごとにデッドスペースの活用方法を紹介します。

洗面所

洗面所の隙間収納イメージ
洗濯機の上部に突っ張り棒で棚をつくる(写真提供:KUUKI)

洗面台下の収納スペースに突っ張り棒やシンク下用の伸縮ラックを置き、上下2段にモノを置けるようにすれば収納力もアップ。重ねられる引き出しケースの利用も効果的です。

洗濯機の上も見落としがちなデッドスペース。ランドリーラックを設置したり、突っ張り棒を使って棚を作ったりして、タオル類を収納します。洗濯機の脇に隙間がある場合はタオルハンガーのほか、隙間収納用の家具を取り入れるのもおすすめです。

トイレ

トイレ空間の上部に突っ張り棚を設置すると、トイレットペーパーや洗剤をストックできます。便器脇の隙間に置ける収納グッズも、各種販売されているので用途に合わせて探してみましょう。

寝室

ベッド下を活用して収納スペースに。高さのあるベッドなら、衣装ケースや収納ケースを数個並べられます。おすすめは跳ね上げ式のベッド。収納力が段違いです。

クローゼット

クローゼットの収納イメージ
クローゼットの上置き棚に布団を収納(写真提供:KUUKI)

上置き棚に組み立て式の布製ボックスを置くと、客用布団やシーズンオフの衣類を収納できて便利です。シーズンオフの布団は圧縮して、奥の壁に立てかけるように収納すると邪魔になりません。

また、ハンガーバーの下には、ハンガーラックを置けば収納力が2倍になるほか、カラーボックスを設置しても服の仕分けがしやすくなり、おすすめです。突っ張りパーティションを置いてカバンや小物の収納スペースを確保するのもひとつの手でしょう。

リビング・ダイニング

カウンターの下には幅に合わせた棚やカラーボックスを設置すると、薬や文房具、書類などを収納できます。

玄関

下駄箱収納のイメージ
突っ張り棚を使って下駄箱の収納力アップ(写真提供:KUUKI)

下駄箱や玄関扉の上には突っ張り棚を設置できます。玄関の扉にはマグネット付きの収納ケースを取り付けると鍵などを保管できて便利です。下駄箱の扉の裏に、吊るすタイプのポケット型収納アイテム(ウォールポケット)を追加しても良さそう。

キッチン

冷蔵庫の上が空いていれば突っ張り棚を。伸縮する収納棚があればシンク下を無駄なく使えます。冷蔵庫横のデッドスペースも、キャスター付きの隙間収納ラックなどを使ってうまく活用しましょう。

押入れ

上段に押入れ伸縮ラックや突っ張りハンガーラック、カラーボックスを置くと整理整頓しやすい環境ができます。重いものを収納しがちな下段にはキャスター付きの引き出しやカラーボックスを使うと、取り出しやすくなります。

4.定番の収納グッズを使いこなす

狭い部屋の収納力がアップする定番アイテムをご紹介します。賢く使って、収納上手を目指しましょう。

定番収納グッズ1:突っ張り棒

突っ張り棒のイメージ

壁と壁の間に設置する伸縮可能な棒のことで、壁を傷つけることなく、簡単に収納を増やせます。さまざまな種類が販売されているので用途に合わせて探してみてください。

例えば、2本の突っ張り棒の間を棚状にした「突っ張り棚」は付け外しが簡単で、棚や押入れの中にぴったり。小さなタイプをシンク下に設置すれば、デッドスペースにもモノが置けるようになります。

靴箱の中に突っ張り棒を渡せば、スニーカーなどヒールのない靴は収納力が2倍に。天井と床の間に設置する「突っ張りポールハンガー」ならカバンやアウターを吊り下げておくのに便利です。

定番収納グッズ2:100円ショップの収納グッズ

ファイルボックス、バスケット型収納ボックスのイメージ
ファイルボックスやバスケット型収納ボックスはどこにでも使える(写真提供:KUUKI)

値段も安く、種類も豊富な100円ショップのグッズは収納初心者にもおすすめです。

特に活用したいのは「ファイルボックス」。散らかりがちな書類やファイルを収納できるだけでなく、キッチンの買い置き食材や水周りの掃除道具など、何を入れてもOK。同じサイズで揃えれば並べたときの見た目も整います。

戸棚の整理なら「バスケット型収納ボックス」もまとめ買いしたいアイテム。取り出しやすさが魅力なので、ふたがなく側面に取っ手が付いているタイプを選びましょう。

また、洗濯機や冷蔵庫などの側面に張り付く「マグネット付き収納カゴ」も便利。ラップやよく使う調味料、洗剤などを入れられます。

定番収納グッズ3:隙間収納とカラーボックス

カラーボックスによる押入れ収納のイメージ
カラーボックスを使って押入れを機能的に(写真提供:KUUKI)

冷蔵庫とシンクの間など、ちょっとした隙間を活用できる収納アイテムもぜひ取り入れたいところ。キャスター付きや引き出しタイプの棚など、目的に合わせて選びましょう。ただし、サイズを事前に測ってから購入するのをお忘れなく。

また、人気のカラーボックスは、近年サイズや色、機能がますます増えて多目的に使えます。扉が取り付けられたり、引き出しを入れたりとカスタマイズできるほか、連結して大きな棚にしたり、机の代わりにしたりできます。

ほかにも、大定番のスチールラックは、丈夫で耐荷重性のある頼れるアイテムです。組み立ての手間が軽減された、女性に扱いやすいタイプも出ています。

5. 外部の収納サービスを利用する

トランクルームのイメージ

モノが多くて収納しきれない場合や大型の荷物は、思い切って家以外の場所に預けたり、買わずにレンタルで済ませたりするのも手です。さまざまなサービスが登場しているので、ぜひチェックしてみてください。

トランクルームの利用

0.5帖から8帖程度のスペースを借りて、自由に家の荷物を置くことができる「トランクルーム」のサービス。収納力に優れた屋外のコンテナ型、保存環境が整った屋内型など使い勝手に合わせてさまざまなタイプを選べます。

クリーニング店の保管サービスの利用

クリーニングで預けた衣類をそのまま預かってくれるサービス。シーズンオフの衣類や来客用の布団など、クローゼットにあるとかさばるものに最適です。

レンタルサービスの利用

来客時の布団やアウトドア用品は、しまっておくだけでも場所を取ります。年に数回程度の出番ならレンタルで済ませば、収納スペースが圧迫されません。

 

加瀬のレンタルボックス

広く見える部屋をキープするための考え方

狭い部屋をすっきり見せるためには収納場所を確保するのはもちろんのこと、普段の意識を変えていくことが重要。次は、広く見える部屋をキープするための考え方を学びましょう。

モノを増やさない考え方を身につける

モノを購入するときは、収納するスペースをイメージして、置く場所があるかどうかを確かめましょう。1個買ったら1個捨てる、消費サイクルを考慮して多すぎる買い置きは控えるなど、購入前にセーブすることが大切です。

モノの定位置を決めて片付けを習慣化

モノを置く場所を決めることが、散らかりにくい部屋につながります。リモコンはテレビ横の収納ケースに、メイク道具は洗面所の引き出しの手前に、といったように置き場所へ戻すことを習慣づけると片付けもラクになります。

片付けのルールを作る

毎日、家中をすべて掃除するのはなかなか大変。今日はリビング、明日はキッチンと曜日ごとに片付ける場所を決めたり、リビングのテーブル上など視線が集まりやすい箇所だけは毎朝片付けたりするなど、無理のない範囲で片付けのルールを決めて、少しずつ片付けていくと部屋が散らかりにくくなります。

 

狭い部屋によくある収納のお悩みを解決

最後に、住空間収納プランナーのわたべさん、つかはらさんに、狭い部屋にありがちな収納のお悩みに答えていただきました。

Q:洋服を収納する場所がありません

ベッド下に衣装ケースを置いたり、ハンガーラックや突っ張りハンガーラックを設置したりすれば、洋服の収納場所を確保できます。ラックはハンガーの形を揃えることで省スペースになるほか、衣類はアイテムごとにグラデーションカラーに並べることで戻す位置が決まり、散らかりにくくなります。

突っ張りハンガーラックのイメージ
突っ張りハンガーラックを使えばただの壁が収納スペースに(写真提供:KUUKI)

Q:書籍が部屋を圧迫してしまいます

書籍が多い場合、高さのある本棚を使っている人も多いかもしれませんが、圧迫感が強いのが難点です。扉付きのものを選んだり、ロールスクリーンを取り付けたりすると壁の延長のような印象になり、圧迫感が解消されます。

これから本棚を用意するのであれば、腰の高さ程度の本棚に統一することで目線が低くなり開放感が生まれます。

Q:狭い部屋ではベッド、布団、どちらがよいでしょうか?

ワンルームや1Kならベッド下を収納スペースとして有効活用できるため、ベッドがおすすめです。とくに跳ね上げ式ベッドは大きな荷物をラクに片付けられます。

目線を低くするために、お布団を選ぶ方もいるかもしれませんが、収納に場所を取るのであまりおすすめしません。ただし、畳んだお布団にカバーを掛けてソファのように使う方法もあるので、使い勝手に応じて選んでみてください。

ベッド下収納のイメージ

Q:見せる収納にしたのですが掃除が面倒です

本や服飾小物など、見せる収納はホコリが溜まりがち。できるだけ使用頻度の高いものを選び、大量に置かないのが鉄則です。

また、モノを直接棚の上に置くのではなく、カゴにしまってカゴごと見せる収納にしたり、ハンディモップをいつでも使えるように、近くに配置したりすると掃除がラクになります。

Q:ワンルームで気分転換ができません

突っ張りパーティションを使ったり、本棚や収納ラックを設置したりして、就寝スペースと居住スペースを分けてみましょう。目隠しになるばかりか雰囲気も変わっておすすめです。

パーティションのイメージ

Q:使わないけれど捨てられないものが多くて困ります

卒業アルバムや年賀状など、日常的に使わないものは思い出ボックスを1箱作り、まとめて奥にしまいましょう。写真や子供の工作などはスキャンや撮影でデータ化すれば、残すものを厳選して、ほかは捨ててもよいかもしれません。大きい品であればトランクルームに預けるのもおすすめです。

 

狭い部屋でも居心地のよい空間は作れる

狭い部屋でもすっきり快適に過ごすためには、モノを増やさない考え方を取り入れたり、アイテムを駆使して収納スペースを確保したり、ちょっとした工夫が大切です。狭くても自分にとって居心地のよい空間を目指しましょう。

 


監修者

<監修者>
つかはらあずさ(左)/わたべしのぶ(右)

「気持ちのよい空間づくり」をめざし、2013年に収納インテリアサポートサービス「KUUKI(くうき)」を母娘で立ち上げ。住空間収納プランナー、空間スタイリストとして、片付けや空間づくりに悩む個人から店舗まで900軒以上のサポートを手がける。最近ではYouTubeで「KUUKIの片付け収納」として生活のアドバイスを配信中。HP https://kuu-ki.com/


加瀬のレンタルボックス

監修・投稿者プロフィール

安武 亜希
安武 亜希
株式会社加瀬倉庫 IT戦略推進部所属。

【資格】
整理収納アドバイザー1級

WEBを活用した集客施策を担当しています。
トランクルームに興味をもっていただけるよう、みなさまに役に立つ情報を発信していきます!

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