キャンプの必需品である寝袋。シュラフとも言います。キャンプ用品はかさばるものが多く、自宅での収納方法や保管場所にお困りの方も多いのではないでしょうか。
寝袋を長期保管する場合は、次に使うときのためにきちんとお手入れをして、保管方法にも注意しなければなりません。
そこで今回は、寝袋の正しい収納・保管方法についてまとめてみました。お手入れ方法やたたみ方のコツもあわせて紹介します。
目次
寝袋を長持ちさせるお手入れ方法
使用後の寝袋は汗や皮脂が染み込んでいるため、お手入れをせずに放置するとカビやイヤな臭いの原因になってしまいます。場合によっては、保温性が失われてしまうことも…
寝袋の機能を低下させないためには、お手入れが欠かせません。
ここでは、寝袋を長持ちさせるための正しいお手入れの方法を解説していきます。
使用後はしっかりと干す
寝ている間に、寝袋は汗や結露などによって湿気を吸収してしまいます。そのため寝袋の使用後すぐにたたんで収納するのはNG。使用後にしばらく乾燥させたら、たたんで収納袋に入れます。
帰宅後にもう一度陰干しでよく乾燥させて、湿気を飛ばしましょう。
洗濯する
湿気とともに落としておきたいのが汚れです。寝袋は使用するたびに洗濯する必要はありませんが、定期的に洗濯をしましょう。一般的には30〜50泊ほど使用したら洗濯するのが望ましいと言われています。汚れが目立つときや寝袋のへたりを感じたときなども洗濯する目安です。
寝袋を洗濯するときは必ず洗濯表示をチェックしてください。洗濯機OKなら洗濯機を使用し、NGなら手洗いします。寝袋によっては乾燥機までOKのものもあります。
ただし、脱水や乾燥機で生地が傷み劣化を早めてしまうこともあるので、長持ちさせたいのであれば手洗いのほうが安心です。
寝袋が化繊素材の場合は家庭用の中性洗剤を使えますが、ダウン素材の場合はダウン専用洗剤を使ってください。
臭いや汚れが気になる場合や洗濯に時間をかけられない場合は、クリーニングに出したほうが簡単で確実にキレイになります。
手洗いの場合
手洗いするときは、浴槽や大きな洗い桶にぬるま湯を入れ、洗剤を入れたら足で踏み洗いします。ジッパーはしっかりと閉め、軽くたたんでおくのがポイントです。
踏み洗いが終わったらお湯を捨て、キレイな水を入れてすすいでいきます。水が濁らなくなるまで何度か繰り返しすすいでください。
脱水するときは絞らず、上から押さえて水分を出していきます。脱水ができたら、風通しの良い日陰に干し、完全に乾燥させます。
寝袋の内側が乾いていないこともあるため、時間をかけて乾かしていきましょう。
完全に乾いたら、全体を優しくたたきながら中綿の偏りをほぐしてください。
乾燥機にかけられるダウン素材の寝袋は低温設定にして乾き具合を確かめながら乾燥させ、仕上げに陰干しします。化繊の寝袋は生地を傷める可能性があるため、乾燥機の使用は避けたほうがいいでしょう。
洗濯機を使用する場合
洗濯表示を見て、洗濯機が使用できるかどうかを必ず確認します。洗濯機で洗える場合は寝袋のジッパーを閉じ、布団用の洗濯ネットに入れて洗濯機を回しましょう。
脱水は軽めにしておいたほうが中綿にダメージを与えません。
乾かし方は手洗いと同じです。
寝袋のたたみ方
寝袋は化繊タイプとダウンタイプでたたみ方が違います。それぞれ素材別にたたみ方のポイントを解説します。
化繊の寝袋のたたみ方
化繊の寝袋は、安くて使いやすい反面、素材が滑りやすくたたみにくいというデメリットがあります。ですが、たたみ方のコツを覚えればうまくたためるようになります。
化繊の寝袋のたたみ方の手順は以下のとおりです。
① 寝袋を縦半分に折る。
②フード側を3分の1くらい折り曲げる。
③足元側をフードと重なるくらいまで折り曲げる。
④足元側から丸めていく。
⑤収納袋に入れる(保管するときは収納袋に入れなくてもよい)。
コンパクトになるようにしっかりと丸めていくことがポイントです。
ダウンの寝袋のたたみ方
ダウンの寝袋は軽くてコンパクトですが、洗濯が大変です。たたんでいる途中で膨らんでしまうのも厄介に感じます。
ダウンの寝袋は、化繊のように折りたたむ必要はありません。収納袋の底にぎゅうぎゅうに押し込んでいくだけ。ランダムに詰め込でいくほうが、偏りが起こりにくくなります。
空気が入らないように隙間なく詰めていくのがポイントです。化繊の寝袋と同様に、長期保管するときは収納袋には入れません。
寝袋の保管に適した場所は?
オフシーズンに寝袋を自宅で収納・保管する場合は、適した場所に正しい方法で保管する必要があります。
自宅の間取りや寝袋の使用頻度によっても収納場所は変わりますので、合うと感じるまで何度か試してみてください。
保管に適した場所の条件
寝袋の保管で注意したいのは湿度です。湿気の多い場所に置いていると、水分を吸収してカビや臭いが発生するかもしれません。そのため、寝袋は風通しの良い場所での保管が適しています。
持ち運び用の収納袋に入れておくと、コンパクトになって収納スペースをとりませんが、ぎゅうぎゅうに詰め込まれているため中綿がへたりやすくなります。フワフワな状態をキープするためには、ときどき取り出して広げることで偏りを防ぐのがよいでしょう。
専用の収納袋で保管せず、広げてハンガーで吊るしておいたり、不織布製の布団収納袋や布団用の洗濯ネットに入れたりして通気性を良くして保管する方法もあります。
寝袋を防災とアウトドア兼用にするなら、防災グッズと同じ場所に収納しておくのがおすすめです。
やってはいけない保管方法
寝袋は風通しがよく、湿気が溜まりにくい場所に保管するのが条件です。
寝袋を乾燥させず袋に入れたまま保管するとカビが発生する可能性が高くなります。
汚れた状態を長期間放置することも、洗濯後に完全に乾燥させずに収納してしまうこともNGです。
クローゼットや押し入れなどに寝袋を保管する場合は、湿気が溜まりやすい下段よりも湿気が少ない上段に収納するほうがよいでしょう。
屋外の家庭用物置はお天気の影響を受けやすいので注意しなければなりません。
湿気が気になる場所に保管せざるをえない場合は、除湿剤を活用して湿気対策をしておくことが大切です。
かさばる寝袋はトランクルームへ
*加瀬倉庫のトランクルームの画像を挿入してください。
寝袋はかさばるため、一人暮らしのワンルームや家族が多い場合は収納スペースを圧迫します。シーズンオフの長期間、寝袋のために収納スペースを確保しなければならないなら、トランクルームに預けるのも良策の1つです。
トランクルームの中には空調設備が充実している屋内タイプもあるので、自宅でぎゅうぎゅう詰めに保管するよりも良い環境で保管できます。寝袋にカビが発生するリスクや劣化を気にすることもありません。
トランクルームに寝袋を始めとするキャンプ用品をまとめて預ければ、自宅の収納スペースに余裕ができ、普段使いのモノの出し入れがラクになるでしょう。
正しい保管方法を覚え、寝袋を長持ちさせよう
寝袋はかなりの収納スペースが必要なほどかさばるアイテムです。だからといって、ぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうとへたりやすく、劣化を早めてしまいます。
今回ご紹介した正しい保管方法で、風通しの良い場所に収納してみてください。
どうしても収納スペースが確保できないようなら、かさばる寝袋はトランクルームを利用しましょう。
<監修者>
藤野こと
整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト。片付けコラムニストとして整理収納や時短家事の記事を多数執筆。「家事は素早くラクに」がモットー。生活動線を短くして楽家事となる仕組みづくりを考えるのが得意。個人・企業向けにオンラインによる片付けコンサルティングも手がけている。
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