
災害はいつ発生するかわかりません。ご自身やご家族を守るため、日頃から防災グッズを準備し、適切に収納しておくことが必要です。
本記事では、準備したい防災グッズとその収納方法や場所、さらには収納場所の1つであるトランクルームの活用方法について詳しく紹介します。
目次
備蓄用防災グッズの収納方法

防災グッズには、ヘルメットや懐中電灯など主に避難する際に使用する「持ち出し用」と、食料や飲料水など主に自宅で使う「備蓄用」の2種類があり、それぞれの目的にあわせて収納方法や置く場所などが分かれます。
はじめにコンテナボックスや収納ボックスを使った、備蓄用防災グッズの便利な収納方法について紹介しましょう。
コンテナボックスを活用する
備蓄用防災グッズは、コンテナボックスにまとめて収納すると便利です。
コンテナボックスとは箱型の収納用品で、 工具や部品の整理や保管、衣類の保管など一般家庭での収納によく使われています。防水性や耐久性が高く、湿気やホコリからグッズを守れるため長期保存に適しています。
また、コンテナボックスは、ばらばらになりがちな防災グッズをまとめて保管できる点もメリットです。
災害時にはテーブルや椅子、仕切りとしても活用でき、サイズをそろえることで収納場所もすっきりと整理できます。
ふたなし収納ボックスはローリングストック用に使う
ローリングストック法とは、日用品などを定期的に消費し、使った分を補充する備蓄方法のことです。
ローリングストックを活用する場合は、ふたなしの収納ボックスがおすすめです。すぐに取り出せるだけでなく、食料品や消耗品を見える状態で保管できるため、使用期限や補充のタイミングを把握しやすくなります。
収納ボックスにラベリングする
どこに何をしまったのか一目でわかるように、各収納ボックスにはラベルを貼り、入っているものを書いておきましょう。
ラベルには「食品」「医薬品」「生活用品」などのカテゴリーを記載し、非常時でもすぐに必要なものを取り出せるようにすると便利です。
また、食品など賞味期限・消費期限があるものは、ラベルにあわせて記載しておくのがおすすめです。
備蓄用防災グッズの収納場所

備蓄用防災グッズは必要なときに、すぐに取り出せるように収納しておきましょう。
また、防災グッズの用途にあわせた収納場所があり、自宅の2階で被災し1階に行けない場合などに備えて、備蓄用防災グッズは家の中に分散させて収納することが大切です。
ここでは、クローゼット・キッチンやパントリー・リビングなど、収納に適した場所とメリットなどについて紹介します。
クローゼット
寝室や子ども部屋などにあるクローゼットは防災グッズを保管するのに適しており、整理整頓しやすくスペースを有効活用できます。重いものは取り出しやすい下段を活用すると良いでしょう。
子どもが1人でいるときに災害にあうリスクも考えられるため、防災グッズは子ども部屋にも準備しておきましょう。事前に子どもに防災クッズの中身や使い方を教えておけばより安心です。
キッチンやパントリー
食料品や飲料水などの消耗品は、キッチンやパントリーに収納するのがおすすめです。
キッチンに近い場所に保管することで、日常生活におけるローリングストックが自然と実践しやすくなります。
普段食べている食料品や飲料水などをストックすれば、非常時もいつもと同じものを味わえるため、ストレスの軽減に役立ちます。
リビング
リビングは家族が集まる生活拠点となる場所であり、在宅避難する場合も生活の中心となるため、リビングにも防災グッズを準備するのがおすすめです。
頻繁に使う防災グッズを収納するのに適しており、懐中電灯や電池、携帯ラジオなどはリビングに置いておくと便利です。
収納した人が不在でも使えるように、収納場所は家族全員に知らせておきましょう。
避難用の持ち出し用防災グッズを置きたい場所

避難時に必要な持ち出し用防災グッズは、すぐに持ち出せる場所に保管することが重要です。
災害は突然発生するため、防災グッズを置く場所によって避難のしやすさが変わります。そのため、玄関やリビング、寝室など日常生活の動線上に収納しておくことで、家族全員がすぐに取り出せて便利です。
ここでは、具体的にどのような場所に保管すれば良いのか、それぞれの特徴を紹介します。
玄関
避難用の持ち出し用防災グッズは、玄関に保管しておくと目につきやすく、家を出る流れで手に取って避難できるため、ヘルメットや軍手などを保管しておきましょう。
収納する場所が限られる場合は、折りたたみ式のヘルメットであれば、それほど場所を取らず便利です。
玄関は、避難する際の動線をさまたげないよう整理整頓しておきましょう。
リビング
リビングは家族が集まる場所のため、災害時に防災グッズを持ち出しやすい特徴があります。
万が一、玄関から避難できない場合でも、窓など外への出入り口付近に防犯グッズがあると役立ちます。
避難の際には防災グッズを集める余裕がないことが多いため、リビングの一角や収納棚など、できるかぎり1つの場所にまとめて保管しておきましょう。
寝室
大きな地震など就寝中の災害に備えて、寝室にも防災グッズを置いておきましょう。
持ち出し用防災グッズには非常用ホイッスルを加えておき、懐中電灯や緊急時に使う靴などと一緒に、枕元やベッド下に収納しておくと安心です。
災害によって停電した暗闇での移動に備えて、防災グッズはすぐに取り出せる場所に置いておくのがポイントです。
災害への備えに:防災グッズ必要なものリスト

災害に備えるためには、何をどれだけ準備すれば良いかを把握しておくことが重要です。
備蓄用と持ち出し用の防災グッズは用途が異なるため、それぞれに適したアイテムを準備し、保管する必要があります。
食料や水、生活必需品はもちろん、家族構成や個々の状況に応じたグッズを選ぶのがポイントです。
ここでは、備蓄用と持ち出し用のそれぞれで必要となる、防災グッズのリストを紹介します。
備蓄用防災グッズ
備蓄用防災グッズのリストを、以下に記載します。以下のグッズは多くの家庭で準備するものですが、必要に応じて加えるとよいでしょう。
- 飲料水(1人1日3Lを目安に最低3日分、できれば7日分がベスト)
- 非常食(缶詰・フリーズドライ食品・お菓子など)
- 医薬品(常備薬・救急セット)
- 簡易(携帯)トイレ(1人1日5回分を目安に最低3日分、できれば7日分がベスト)
- 生活用品(トイレットペーパー・ウェットティッシュなど)
- カセットコンロとガスボンベ(ガスコンロ1台に6本:1週間分)
持ち出し用防災グッズ
次に、持ち出し用防災グッズのリストを以下に記載します。
持病のある方は処方された薬や、赤ちゃんのいる家庭ではおむつや携帯ミルクなど、必要に応じてグッズを加えておきましょう。
- モバイルバッテリー
- 飲料水(持ち運びしやすい500mLペットボトルがおすすめ)
- 軽食(お菓子など)
- ヘルメット
- 軍手
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- 救急セット
- 防寒具や雨具
- 現金(小銭含む)
- 生理用品(女性)
防災グッズの収納にはトランクルームもおすすめ

自宅の収納スペースが限られている場合などは、トランクルームの利用を検討しましょう。
耐震性や温度管理が整っている施設を選べば、グッズの長期保管が可能です。また、自宅とは異なる場所に保管することは、備蓄場所の分散につながりより災害に備えられます。
住宅の倒壊や火災、2次災害、空き巣の被害などを想定すると、自宅以外の場所に収納場所があると安心です。
トランクルームに防災グッズを収納する際の注意点
保管に便利なトランクルームですが、以下に収納する際の注意点を記載します。
トランクルームには種類がある
トランクルームには屋内型と屋外型があり、水や食料品などは空調設備が整った屋内型のトランクルームが安心です。ただし、停電時には使用できない可能性もあるため、あらかじめ耐震構造や停電時の対応などについて確認しておきましょう。
頻繁に出し入れするものは避ける
トランクルームは頻繁に出し入れするものには向かないため、長期保管が前提のものを優先しましょう。
定期的に点検する
保管したグッズが劣化していないか、定期的な点検が必要です。とくに食品や飲料水の消費期限は要チェックです。
緊急時もすぐに行ける場所を選ぶ
自宅から近い場所にあるトランクルームを選ぶと、非常時にすぐに取り出せます。また、災害時を想定し、ハザードマップなどでトランクルームと自宅との位置関係を確認しておくことも大切です。
トランクルームに防災グッズを収納し災害に備えよう

災害が起こっていない今のうちに、ご自身とご家族の安全を守るため、本記事で紹介した防災グッズを参考に家庭に最適なグッズを揃えて、万が一の災害に備えておくことをおすすめします。
収納場所の1つであるトランクルームは、自宅の収納スペースの場所を取らず、安全に保管できる便利な選択肢です。
また、個人利用だけでなく、防災備蓄の一環として町内会や自治体が地域の防災拠点に屋外型トランクルーム(レンタルボックス)を活用する事例も増えています。
安全性と利便性を兼ね備えた保管場所として、トランクルームの利用についてこの機会にぜひご検討ください。