
引っ越しを手伝ってくれた友人や知人には、感謝の気持ちをしっかり伝えたいものです。しかし、適切なお礼の金額や渡すタイミングなど悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで失礼にならないお礼のマナーや金額相場、喜ばれるギフトアイデアなどをまとめました。
目次
引っ越しを手伝ってもらったときに渡す謝礼の相場
引っ越しの手伝いをお願いしたときに、まず気になるのが「謝礼はいくらぐらい渡せばいいのか」という点です。友人や同僚、上司など、相手との関係性や作業内容によって相場は変わりますし、渡し方にもマナーがあります。
ここでは、一般的な金額の目安と、現金を渡すときのスマートな方法を紹介します。
謝礼の相場は3,000円~1万円程度
引っ越しを手伝ってくれた人に渡す謝礼の金額は、一般的に 3,000円~1万円程度 が目安です。金額は相手との関係性や作業時間によって変わるため、以下の表を参考にしてください。
相手との関係性 | 半日作業の場合 | 1日作業の場合 |
---|---|---|
友人・知人(学生) | 約2,000円 | 約4,000円 |
友人・知人(社会人) | 約3,000円 | 約7,000円 |
会社の同僚・後輩 | 約4,000円 | 約8,000円 |
会社の上司・先輩 | 約6,000円 | 約1万円 |
家族・親戚 | 3,000円~ | 5,000円~ |
例えば「大学の友人2人に半日手伝ってもらう」なら 2,000円×2人で4,000円程度、「会社の同僚1人に丸一日お願いする」なら 8,000円程度 が適切です。
また、遠方から来てくれた場合は交通費を別途渡したり、荷物が多く重労働になる場合は相場に1,000〜2,000円ほど上乗せするなど、状況に応じて調整するとより丁寧です。
謝礼を渡す方法
謝礼を現金で渡す場合は、そのまま手渡すのではなく、ポチ袋や小さな封筒に入れて渡すのがマナーです。
コンビニや文房具店で簡単に購入できるので、事前に用意しておきましょう。袋の表面に「御礼」や「ありがとうございました」と一言添えると、感謝の気持ちがより伝わります。
また、相手がどうしても現金を受け取りづらい場合もあります。その場合は、ギフトカードやお菓子など形に残る品物で感謝を伝えるのも良い方法です。大切なのは、相手に負担を感じさせずに「ありがとう」の気持ちを伝えることです。
引っ越しの手伝いのお礼におすすめの品【現金以外】
現金以外で感謝を伝えるなら、相手が気兼ねなく受け取りやすい品物を選ぶのがおすすめです。ギフトカードや少し特別なお菓子、好みに合ったお酒やジュースなど、現金よりもさりげなく「ありがとう」の気持ちを伝えられる方法があります。
ここでは、引っ越しのお礼として喜ばれやすい品物を、関係性や状況に合わせて紹介します。
商品券やギフトカード

商品券やギフトカードは、幅広い相手に喜ばれるお礼の定番です。 現金よりもスマートで気軽に受け取ってもらいやすいため、上司や目上の人へのお礼としても適しています。自分で好きなものを選んで使えるので、「何を渡せばいいかわからない」と迷ったときにも安心です。
おすすめの種類は次のとおりです。
- 百貨店やスーパーなどで使える全国共通商品券
- Amazonギフトカードや楽天ギフトカードなど、オンラインで使えるもの
- コンビニやドラッグストアで購入できるプリペイドカード
- LINEギフトやスタバチケットなど、住所を知らなくても贈れるソーシャルギフト
特にソーシャルギフトは、ちょっとしたドリンクチケットなどもあり、学生や友人に渡す場合にも使いやすいのが魅力です。一方で上司や目上の方には、百貨店や大手チェーンで利用できるものを選ぶと、失礼なくスマートに渡せます。
少し特別なお菓子

少し高級なお菓子は、気軽に渡せて幅広い世代に喜ばれるお礼の品です。 現金よりも堅苦しさがなく、上司や年配の親族などにも自然に感謝を伝えられるため、フォーマルな場面でも安心して使えます。
お菓子を選ぶときのポイントは次のとおりです。
- 持ち運びしやすく、かさばらない
- 個包装されていて分けやすい
- 日持ちする
具体的には、焼き菓子や和菓子、せんべいなど、常温保存できる個包装タイプが人気です。職場の上司や複数人にお礼をしたい場合にも配りやすく、好みが分かれにくい点がメリットです。
ただし、遠方から手伝いに来てくれた方にかさ張る菓子折りを持たせると負担になることもあります。その場合は、後日配送で贈ると気遣いが伝わり、より丁寧なお礼になります。
お酒やジュース

お酒やジュースは、相手の好みに合わせて特別感を演出できるお礼の品です。 力仕事の後にゆっくり楽しんでもらえるので、友人やお酒好きの同僚に渡すと特に喜ばれます。
選ぶときのポイントは次のとおりです。
- 相手がお酒を飲めるかどうかを事前に確認する
- 普段は自分で買わないような「少し上質なもの」を選ぶ
- 持ち帰りやすさも考慮する
お酒が好きな方なら、ビール券やクラフトビール、日本酒やワインなどが定番です。地元の銘柄や限定品を選ぶと、気の利いたお礼として印象に残ります。
一方で、お酒を飲まない方には、国産フルーツ100%ジュースや高級野菜ジュース、コーヒーギフトなどが喜ばれます。特別感がありながら健康を気遣える品としても安心です。
普段の生活ではなかなか手にしないワンランク上の飲み物を選ぶと、「わざわざ用意してくれた」という気持ちが伝わりやすくなります。
食事をごちそうする

引っ越し作業のあとに食事をごちそうするのは、感謝を伝えると同時に一緒に過ごす時間を楽しめるお礼の方法です。 力仕事の後はお腹も空いているため、自然に「ありがとう」を伝えられる場になります。
選ぶときのポイントは次のとおりです。
- 相手との関係性に合わせてお店を選ぶ
- 大人数か少人数かで雰囲気を変える
- 当日が難しければ後日に改めてもよい
例えば、学生の友人にはファミリーレストランや焼肉チェーン、社会人の友人にはおしゃれな居酒屋や寿司店がおすすめです。大人数なら食べ放題や個室のある店、少人数なら少し落ち着いたレストランを選ぶと特別感が出ます。
もし当日は時間が合わない場合でも、後日新居に招いて手料理でもてなしたり、別の日に食事へ誘ったりすれば十分に気持ちは伝わります。食事を共にすることで、「手伝ってよかった」と思ってもらえるお礼になるでしょう。
お礼をするタイミング
引っ越しを手伝ってもらった際のお礼は、渡すタイミングによって適した方法や注意点が変わります。状況に合わせて選ぶことで、相手により気持ちよく受け取ってもらえるでしょう。
ここからは、事前・当日・後日それぞれのお礼の仕方を紹介します。
事前にお礼をする
引っ越しの前日までに謝礼を渡すケースはあまり多くありません。というのも、事前に渡してしまうと、当日に体調不良などで来られなくなった場合にお互い気まずい思いをする可能性があるからです。
どうしても事前にお礼をしておきたい場合は、金額の大きな現金ではなく、ちょっとした手土産程度にとどめるのが安心です。たとえばお菓子や飲み物など、当日の差し入れ感覚で渡すと自然に受け取ってもらえます。
基本的には、引っ越しの手伝いに対する謝礼は「作業が終わった後」に渡すのがマナーだと覚えておくとよいでしょう。
引っ越しの当日
お礼を渡すタイミングで最も多いのは、引っ越し作業がすべて終わった当日です。片付けがひと段落したところで「今日は本当に助かりました」と感謝の言葉を添えて謝礼を手渡すと、気持ちが伝わりやすくなります。
この方法なら、その場で実際に手伝ってくれた人にだけ確実に渡せるので安心です。謝礼は現金や商品券を封筒に入れて渡すのが一般的ですが、あわせて新居の近くで食事をごちそうしたり、出前を取って振る舞ったりするのもよいでしょう。
もし当日どうしても時間が合わない場合は、無理にその場で済ませなくても大丈夫です。後日改めて感謝の場を設けても、十分丁寧なお礼になります。
後日改めてお礼をする
引っ越し当日に直接お礼を渡せなかった相手には、後日あらためて感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。少し時間をかけてお礼をすることで、かえって丁寧さや心のこもった印象を与えられます。
方法としては、新居に招いて手料理でもてなしたり、日を改めて食事に誘ったりするのが定番です。お礼の品を手渡す場合には、ちょっとしたメッセージカードを添えると感謝がより伝わります。目上の方にはお礼状を送ると、よりフォーマルで好印象です。
また、食事とお礼の品を組み合わせると「ありがとう」の気持ちを一層しっかりと伝えることができ、相手にとっても思い出に残るお礼になります。
引っ越しの手伝いを頼む際に気をつけるポイント

家族や友人に引っ越しを手伝ってもらう場合は、プロに頼むとき以上に注意が必要です。慣れていない分、家具の破損や家の傷といったトラブルにつながりやすいため、事前の準備や配慮をしっかり行いましょう。
ここでは、安心して作業を進めるために押さえておきたいポイントを紹介します。
物が壊れないようにしっかり梱包する
友人や家族に手伝ってもらう場合、荷物の扱いに慣れていないため破損のリスクが高くなります。大切な家具や家財を守るためには、事前の梱包を丁寧に済ませておくことが欠かせません。
- 食器など割れ物は必ず緩衝材で包む
- 貴重品や壊れやすい物は自分で運ぶ
- 重要書類や高価な物は別に管理する
引っ越し当日に梱包が終わっていないと、作業が慌ただしくなり、手伝ってくれる人への負担も増えてしまいます。さらに、家具をぶつけて壁や柱を傷つける原因にもなりかねません。
破損やトラブルを防ぐためにも、準備は前日までに済ませ、壊れやすい物は自分で運ぶか、必要に応じて業者に依頼するのがおすすめです。
遠方から来てくれた場合は交通費も渡す
友人や親戚が遠方から手伝いに来てくれる場合は、お礼とは別に交通費を負担するのがマナーです。経済的な負担をかけないように配慮することで、安心して手伝ってもらえます。
代表的な交通費の例としては以下のようなものがあります。
- 新幹線代
- 高速代
- ガソリン代
- 宿泊費
交通費は謝礼とは別の封筒に分けて渡すと、より丁寧な印象を与えられます。気持ちよく協力してもらうためにも、感謝の言葉とともにきちんと渡すことを心がけましょう。
荷物の量によっては業者に依頼する
荷物が多い場合や大型家具がある場合は、友人や家族だけで無理に作業をすると時間も手間もかかり、けがや破損のリスクも高まります。状況によっては、専門の引っ越し業者に依頼したほうが安全で効率的です。
業者への依頼を検討したほうがよいケースの例としては以下のようなものがあります。
- 大型家具が複数ある
- 3階以上の運搬が必要
- ピアノなど特殊な荷物がある
- 荷物の総量が軽トラック1台分を超える
- 貴重品や壊れやすいものが多い
友人に頼めば費用は抑えられますが、作業が長引き1日で終わらないこともあります。無理をしてトラブルになるよりも、必要に応じて業者を併用することで安心して引っ越しを進められるでしょう。
引っ越しの手伝いでは状況に合ったお礼を意識しよう
引っ越しを手伝ってもらった際のお礼は、相手との関係性や作業内容に合わせて、無理のない範囲で行うことが大切です。現金だけでなく、品物や食事など状況に応じた方法を選ぶことで感謝の気持ちがより伝わり、今後の関係性も良好に保てるでしょう。
誠実に対応することが、手伝ってくれた人への最大のお礼となります。