
物置には、庭道具やアウトドア用品、自転車、タイヤなど、家庭によってさまざまな物を収納します。
しかし、奥行を考えずに選んでしまうと、奥の荷物が取り出しづらい・収納しきれないといった使い勝手の悪さにつながることも少なくありません。
どんな物をどのように収納するかを踏まえて奥行を選ぶことで、物置の使いやすさは格段に変わります。限られた収納スペースを最大限に活かして、使いやすい物置を作りましょう。
目次
用途別に最適な物置の奥行サイズを紹介
一般的に使いやすいと言われている物置の奥行は、60cm〜90cmとされています。
ただし収納したい物の種類や量が変われば、この範囲を大きく超えることもあります。ここでは、用途の広がりに応じて奥行きの目安を整理してみましょう。
・「日常的な小物・園芸用品」向け
スコップやプランター、ホースなど、比較的ひとつひとつがコンパクトな荷物を収納するなら、奥行 60〜90 cm 程度が取り出しやすく、出入りもラクです。
・「アウトドア用品・収納量がやや多め」向け
テント、タープ、キャリーカート、キャンプチェアなどを一緒にしまいたい場合は、奥行を 100〜120 cm 程度にとることで、収納物を詰め込むのではなく、並べて使いやすく保管できます。
・「自転車・大型用品・特殊な荷物」向け
自転車やオートバイ、車のタイヤ、など、幅・奥行・高さともに大きめの荷物を想定するなら、奥行 130 cm以上、あるいは 150〜200 cm 程度を検討する価値があります。
例えば「自転車1台+作業スペース」を確保したいなら奥行120 cmは必要となるでしょう。
物置を選ぶ際には、まず「今ある荷物+増えるかもしれない荷物」をリストアップし、荷物の奥行(深さ)を測ってみてください。その上で「この奥行なら出入り・整理がラクか」「将来荷物が増えたらどうか」という視点を持つと、後悔しにくい選び方につながります。
物置の奥行でよくある失敗事例と対処法

せっかく物置を設置しても、「思ったより使いづらい」「荷物が取り出しにくい」と感じてしまうケースは少なくありません。その多くは、収納する物と奥行サイズのバランスが取れていないことが原因です。
奥行のサイズ選びを誤ったことで起こりがちな失敗例と、その対処法を紹介するので、物置を選ぶ際の参考にしてみてください。
奥行が深すぎて物が取り出しにくくなった
奥行のある物置は一見たっぷり収納できて便利そうですが、実際に使ってみると「奥に入れた物が取り出せない」「何をしまったか分からなくなる」という悩みを抱える場合もあります。
特に、ガーデニング用品や工具など奥行をあまり必要としないアイテムが中心の場合、奥行が深すぎる物置はかえって不便になります。
このようなときは、仕切り棚を設置して収納スペースを分けるのがおすすめです。
棚を設けることで手前と奥で用途を分けられ、よく使う物を取り出しやすくなります。棚の高さを自由に調整できるタイプなら、縦の空間も無駄なく活用できるでしょう。
奥行の深さを活かすためには、収納量よりも「取り出しやすさ」を意識したレイアウトを心がけましょう。
奥行が浅くて収納したい物をしまえなかった
物置の奥行が浅すぎて、想像していたよりもアイテムを収納できなかったという場合の多くは、収納したいアイテムのサイズを正確に測らずに購入してしまったことが原因です。
もし奥行が浅い物置をすでに設置している場合は、高さを活かして収納力を補うのがおすすめです。
たとえば、ハイルーフタイプの物置であれば、可動棚を追加することで縦方向のスペースを有効活用できます。
下段には重い荷物、上段には軽くて頻繁に使う物を置くと、使い勝手もぐっと良くなります。
一方、奥行も高さも限られている場合は、屋外のデッドスペースをうまく使う工夫をしましょう。
ウッドデッキの下や家の壁際などに、コンテナボックスや防水ストッカーを設置すれば、物置に入りきらない季節用品や工具類をすっきり保管できます。
奥行が足りないからといって諦めず、「高さ」や「屋外の余白」を活かす視点で収納スペースを見直してみましょう。
後から物が増えたため奥行が足りなくなった
物置を使っているうちに、収納したい物が増えて「奥行が足りなくなった」と感じるケースもよくあります。
最初はガーデニング用品だけのつもりが、いつの間にかタイヤやキャンプ用品まで保管している…というパターンもあるかもしれません。
この場合、まずは本当に必要な物だけを残す整理から始めることが大切です。
一度中身をすべて出してみると、「もう使っていない」「壊れている」「似たような物がある」といったアイテムが見つかることも多いでしょう。
整理してもスペースが足りない場合は、奥行を補える収納アイテムを追加する方法もあります。
たとえば、キャスター付きラックやスライド式の収納ボックスを使えば、奥の物もスムーズに出し入れでき、限られた奥行でも効率的に使えます。
また、シーズンオフの物は別の収納場所(屋内収納やトランクルームなど)に移すのも一つの手です。
「足りない」と感じたときこそ、物置の使い方を見直すチャンスです。中の整理と配置の工夫で、買い替えずに収納力を大きく改善できることもあります。
物置の奥行を有効活用するポイント

せっかく奥行のある物置でも、使い方次第では奥の物が取り出せなかったり、デッドスペースが多いと感じてしまうことがあります。限られたスペースを上手に使うには、収納する物のサイズや使用頻度、動線を意識して配置することが大切です。
ここでは、物置の奥行を無駄なく活かして、出し入れしやすく整理しやすい空間にするための5つのコツを紹介します。
収納する物のサイズを測って奥行を決める
物置を購入する前に、まずやるべきなのは収納したい物のサイズを測ることです。
サイズを測らずに購入すると、奥行が浅くて入りきらなかったり、逆に深すぎて使いづらくなったりするケースが少なくありません。
測るときは「幅・奥行・高さ」の3方向を忘れずにチェックしましょう。
たとえば、ガーデニング用品ならスコップやじょうろの一番長い部分を基準に、タイヤやキャンプ用品なら積み重ねた状態の奥行を測るのがポイントです。
また、収納したい物を一箇所に並べて全体の奥行と高さをまとめて確認しておくと、実際にどれくらいのスペースが必要かイメージしやすくなります。
購入する物置の奥行は、測ったサイズに10〜20cmほど余裕を持たせるのが理想です。取り出す際に手が入りやすく、将来的に収納物が増えても対応しやすくなります。
奥行を活かす棚板やラックを設置する
物置の奥行を無駄なく使うには、棚板やラックを上手に組み合わせるのがおすすめです。
奥行のある物置ほど、床にそのまま置くと奥の物が見えにくくなりがちです。そこで、棚板を使って上下に空間を分けると、縦方向にも収納スペースを広げられます。
たとえば、手前には頻繁に使う工具や園芸用品を、奥の上段には季節用品などの使用頻度が低い物を置くと、自然と出し入れがしやすくなります。また、アイテムの高さに合わせて調整できる可動棚を使えば、小型の道具から大きめのボックスまでムダなく収納できます。
スチールラックやメタルシェルフなどの後付けラックを活用すれば、設置後のレイアウト変更も簡単にできます。物置の奥行を「平面」で使うのではなく、「立体的に活かす」意識を持つと、使い勝手がぐっと上がります。
キャスター付き収納で奥の物も取り出しやすくする
奥行のある物置では、奥の物を取り出すたびにかがんだり、手を伸ばしたりするのはひと苦労です。
そんなときに便利なのがキャスター付き収納です。引き出すだけで奥までスッと手が届くため、出し入れの手間を大幅に減らせます。
たとえば、工具や掃除用品などの小物類はキャスター付きワゴンにまとめておくと、必要なときにそのまま引き出せて便利です。一方、タイヤやペットボトルのストックなど重さのある物はキャスター付きのフタ付きボックスに収納しておくと、移動も楽になります。
よく使う物と使わない物をゾーン分けする
物置を使いやすく保つコツは、使用頻度に合わせてゾーン分けすることです。
たとえば、頻繁に使う掃除道具や工具は出入り口付近の腰の高さに、季節限定のアイテム(スタッドレスタイヤやキャンプ用品など)は奥の下段に収納すると、自然と動線がスムーズになります。
また、物を積み重ねる際は、重い物を下・軽い物を上に配置して、下段のアイテムが潰れないように注意します。
よく使う物を「すぐ取り出せる高さ」に置き、あまり使わない物を「安全に置ける位置」にまとめるだけで、物置の整理がぐっとラクになります。
ただし、奥にしまったまま長期間放置すると、何が入っているのか分からなくなることもあるため、季節の変わり目など、年に数回は中身を見直す習慣をつけましょう。
収納は詰め込みすぎず余裕を残す
物置のスペースに余裕があっても、物を詰め込みすぎないことが快適に使うためのポイントです。
隙間なく収納してしまうと、風通しが悪くなり湿気がこもってカビやサビ、雑菌の繁殖につながります。大切な道具を守るためにも、収納量は全体の8割程度にとどめ、空気が流れる空間を意識しましょう。
また、通路を確保することも重要です。
大人1人が通れる幅(約50〜60cm)を残しておくと、奥にある物も無理なく取り出せます。レイアウトのコツは、扉から見てL字型に棚を配置すること。中央に空間を設けることで、どの棚にも手が届きやすく、掃除や点検もしやすくなります。
購入後に後悔しないよう物置の奥行は必ず測ろう
物置を選ぶときは、見た目のサイズ感だけで判断せず、奥行を正確に測ることが大切です。収納したいアイテムの「幅・高さ・奥行」を事前に把握しておけば、購入後に「思ったより入らない」「奥の物が取り出せない」といった失敗を防げます。
また、棚板やキャスター付き収納を組み合わせることで、奥行を無駄なく活かす工夫も可能です。
それでも荷物が収まりきらない場合や、季節によって入れ替えが多い家庭では、屋外型トランクルームを併用する方法もおすすめです。大型アイテムを預ければ、自宅の物置がすっきりと使いやすくなります。
物置は「置くだけのスペース」ではなく、使い方次第で暮らしを快適にする収納空間です。奥行を上手に見極めて、自分の生活にフィットした物置をつくりましょう。






