
引っ越しの日取りを決める際、縁起の良い日または悪い日が気になる方は多いでしょう。新生活を気持ちよくスタートするために、少しでも運気を上げたいものです。
引っ越しする際に注意すべき日にち、どうしても縁起の悪いとされる日に引っ越さざるを得ない場合の対策について紹介します。
目次
引っ越しをしない方が良い日

引っ越しは新生活の始まりを意味する大切な節目のため、縁起が悪いとされる日は避けたいものです。
以下では、引っ越しを避けた方が良いとされる、縁起が悪いとされる日について詳しく紹介します。それぞれの日がなぜ避けられるのか、その理由と背景を知っておくと、引っ越し日を決める際に役立つでしょう。
仏滅(ぶつめつ)
仏滅は、「仏さえも滅する」という意味があり、六曜の中で最も縁起が悪いとされる日です。
そのため、新しいことを始めるには適さない日と考えられており、縁起を気にする方には引っ越しも避けられがちです。
以下は、仏滅で引っ越しが避けられる主な理由です。
- 「物が滅する」と連想されることから縁起が悪いとされるため
- 何事もうまくいかないとされる凶日のため
引っ越しだけでなく契約や葬儀、結婚式などお祝い事も避けられる傾向にあります。
一方で、「すべてが終わって心機一転できる」と解釈されることもあり、あえて仏滅を選んで引っ越す方もいます。
実際、仏滅の日は引っ越し予約が取りやすく、費用も比較的安くなる傾向があるため、縁起よりも実用性を重視する方には狙い目の日取りといえるでしょう。
赤口(しゃっこう)
赤口は、火や刃物による災いに注意すべき日とされており、六曜の中で仏滅に次いで縁起が悪いとされる日です。
六曜は「先勝」「先負」「友引」「赤口」「仏滅」「大安」の6つで構成されており、日々の吉凶を判断するのに活用されています。
以下は、赤口が引っ越しに向かない主な理由です。
- 「赤」が火や血を連想させ、火災やけがの心配があるため
- 午前と夕方以降が凶時とされているため
赤口は朝と夕方以降は縁起が悪いとされていますが、11時から13時は鬼神が休む時間とされ、この時間帯は吉といわれています。
そのため、赤口の日に引っ越しをするのであれば、11時から13時の時間帯を狙って引っ越し作業を終わらせるようにしましょう。
不成就日(じょうじゅにち/じょうじゅび)
不成就日は「何事も成就しない日」とされ、新しいことを始めるには適さないと考えられています。
暦注(れきちゅう)の中でも「選日(せんじつ)」に分類され、選日は特定の行動に適した日・適さない日を示す暦上の目安です。
以下は、不成就日が引っ越しに向かない主な理由です。
- 願いや計画が実現しない日という言い伝えがあるため
- 不成就日と縁起の良い日が重なっていても、「成就しない日」とされる不成就日の意味合いが優先されると考えられているため
仏滅と比べて、不成就日は一般的に広く知られていないため、気にする人は少ない傾向にあります。しかしながら、新しい事を始める日としては(引っ越し、結婚、開業など)は避けるのが無難ではあります。
月に3〜5日発生するため、カレンダーを見て引っ越しの計画を立てるとよいでしょう。
三隣亡(さんりんぼう)
三隣亡は「三軒隣まで災いが及ぶ」という意味を持つ日で、建築関係の凶日です。そのため、土木・建築業界では特に重要視されている日取りです。
引っ越しだけでなく、マイホームの購入にも不向きな日取りといわれています。三隣亡は、自身だけでなく周囲の家にも悪い影響を与えるとされているため、周囲への配慮も込めて避けておくほうが無難でしょう。
不成就日と同様に月2〜4日発生するため、カレンダーで三隣亡の日程を確認しておくと確実です。
土用の丑の日(どようのうしのひ)
土用の丑の日は、「ウナギを食べる日」として広く知られていますが、実はこの「土用」の期間全体が、引っ越しには向かないとされることがあります。
その理由は以下の通りです。
- 土用は季節の変わり目で、土の神が宿る期間とされているため
- 期間中は自然界のエネルギーが不安定になるといわれているため
- 土を動かすことが忌まれることから、建築や引っ越しなども避けられる傾向があるため
特に「土用の丑の日」は有名な日取りではありますが、実際には土用期間(約18日間)全体が対象となります。
また、土用は夏だけでなく春・秋・冬にもあり、年に4〜8回程度あるため、引っ越しの計画を立てる際は日付の確認が必要です。
引っ越しをすると良い日
新しい住まいへ引っ越すのに最適な縁起が良い日も存在します。
- 大安(たいあん)
- 天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)
- 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
新生活で良いスタートを切りたいと考えている人は、「縁起の良い日」とされる日に引っ越ししてみてはいかがでしょうか。
大安(たいあん)
縁起が良い日の1つ目は、「大安」です。大安とは、「大いに安し」という意味を持ち、何をするにも吉とされている日です。六曜の中で最も縁起が良いとされています。
大安は、どんなことをしても安全・安心とされる「万事上吉」の日といわれています。お祝い事全般に縁起が良く、新生活のスタートにぴったりです。
月に4〜5回程度あるため、引っ越し日として日程調整もしやすいでしょう。ただし、引っ越し業者の予約が集中する可能性があるため、早めに準備を進めることがポイントです。
天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)
2つ目は、「天赦日」です。天赦日とは、「天が万物の罪を赦す日」という意味を持つ特別な吉日です。暦注の中でも最高の吉日とされています。
天赦日は年に4~6回しかない希少な吉日で、大安よりも縁起が良い日とされることもあります。
大安やこの後に紹介する「一粒万倍日」など他の吉日と重なる日は、「最強開運日」とも呼ばれ、引っ越しや開業、結婚など人生の節目によく選ばれるます。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
3つ目は、「一粒万倍日」です。一粒万倍日とは、「一粒の籾(もみ)が万倍に実る」という意味を持ち、新しいことを始めるのに適した、日本独自の縁起の良い日とされています。
年間に約60日程度あり、およそ6日に1度のペースで訪れます。そのため、大安と同じように引っ越し計画に組み込みやすい吉日です。
一粒万倍日が引っ越しに向いている理由は以下の通りです。
- 新しい始まりが大きな成果につながるとされているため
- 努力や投資が将来的に実を結ぶとされているため
- 特に「何かを始める」ことに適した日であるため
ただし、一粒万倍日は良いことだけでなく悪いことも大きくなりやすいとされるため、当日はトラブルや不安要素が起きないよう、慎重に行動することが大切です。
引っ越しに向かない日しか選べなかった場合の対策

引っ越しの日取りは、必ずしも自分の希望通りに選べるとは限りません。
スケジュールや契約上の都合で、六曜や暦の上で「縁起が悪い」とされる日に引っ越しを行わざるを得ないこともあるでしょう。
ここでは、そうした日取りに不安を感じる場合に取り入れられている考え方や過ごし方の一例を紹介します。
引っ越し先近くの神社にお参りする
引っ越しにあたって、新居の地域にある神社へお参りをする方もいます。
氏神(うじがみ)とされる土地の神様に挨拶をするという意味合いがあり、新しい環境での安全や穏やかな生活を願う気持ちを表す場と考えられています。
参拝のタイミングとしては、引っ越しの前日や当日の朝など、できるだけ早い段階で訪れるのがよいとされています。
お参りの際には、「この土地で新たに暮らすことになりました」という気持ちで手を合わせるとよいでしょう。形式よりも、新しい生活への感謝と心構えを持つことが大切とされています。
ご祈祷・お札を受ける
神社でお祓いやご祈祷を受けたり、お札を受けて新居に祀ることで、不安な気持ちをやわらげることができるかもしれません。
こうした行為は、新しい環境での安全や安心を願う気持ちを形にする方法のひとつともいえます。「気持ちを切り替える」「節目を意識する」といった、心の整理をする機会として取り入れてみても良いでしょう。
仏滅に引っ越す場合は午後から行うという考え方も
仏滅の日は引っ越しを避ける人もいますが、どうしてもその日しか選べない場合は、「午後から作業を始めるほうが良い」といわれることもあります。
この考え方の背景には、仏滅の翌日が大安であることが多く、「いったん終わりを迎えた後に、新しい運気が始まる」といった前向きな解釈があるようです。
また、午後から作業を開始すると引っ越し業者の料金が抑えられることも多く、実務的なメリットという点でも選ばれる理由になっています。
一時的に荷物を預けて引っ越し日を調整する方法

引っ越しをする日が縁起の良くない日であっても、荷物の搬入日を大安や天赦日といった吉日に合わせれば良い、という考え方もあります。
こうした考えを重視する方の中には、外部の一時預かりサービスなどを利用して、縁起の良い日に改めて荷物を新居へ運び入れる方法を取るケースも見られます。
ここでは、一時的に荷物を預ける場合に便利なサービスを紹介します。
屋外型・屋内型トランクルームを活用する
トランクルームを利用することで、退去日と入居日をずらして荷物を運ぶなど、柔軟なスケジュール調整が可能になります。
屋外型トランクルームは主にコンテナ型で、道路沿いや空き地に設置されていることが多く、24時間いつでも出し入れできる自由度の高さが特徴です。一方、屋内型はビルや建物の一角にあり、空調やセキュリティ管理が整っている点が魅力です。
引っ越し当日が縁起の良くないとされる日と重なってしまう場合でも、荷物を一時的に預け、縁起の良い日に改めて搬入することで、気持ちの区切りとして前向きに新生活を始められる場合もあります。
また、作業を複数日に分けられることで、体力面やスケジュール面の負担を軽減できる点もメリットになるでしょう。
宅配型トランクルーム・一時保管サービスを活用する
荷物の運搬や管理を自分1人で行うのが難しい場合は、宅配型トランクルームや引越業者の一時保管サービスも検討してみましょう。
宅配型トランクルームは、専用ボックスや段ボールに荷物を詰めて送るだけで、業者が荷物を集荷・保管し、必要なタイミングで新居に配送してくれます。
引越し業者の一時保管サービスも、荷物の搬出から保管、搬入まで一括で任せられるので安心です。遠方への引っ越しや、搬入日をピンポイントで指定したい方にも最適なサービスです。
外部サービスを選ぶときのポイント
外部サービスには屋外型・屋内型トランクルーム、宅配型トランクルームなどさまざまな種類があります。自分に合ったサービスを選ぶためには、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 希望の搬出日と搬入日に運搬できるか
- 預けたい荷物の総量(段ボールの数など)
- 利用するサービスのセキュリティや保管環境
- 費用やサービス内容
- 自宅または新居からアクセスしやすいか
自分らしいタイミングと方法で、安心の新生活を始めよう
新居に大量の荷物が一度に届くと、整理や片づけが思った以上に大変になることもあります。そんなときは、トランクルームや家具預かりサービスなどの外部サービスを活用することで、荷物の搬入や整理を段階的に進められ、引っ越しの負担を軽減することができます。
また、やむを得ず縁起の良くない日に引っ越す場合でも、荷物の保管や搬入のタイミングを調整することで、気持ちの切り替えがしやすくなると感じる人もいます。
スケジュールや心の余裕に合わせて、無理のないかたちで新生活をスタートできる工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。