
部屋が散らかっている状態が長く続くと、気づかないうちにストレスが蓄積し、生活の質にも影響するといわれています。
しかし、散らかった部屋を片付けたいと思っても、何から始めればいいか迷う人は少なくありません。誰でも実践できる片付けの手順やテクニック、収納のポイントをわかりやすく紹介します。
散らかった部屋を片付けるときの手順
散らかった部屋を片付けたいと思っていても、「何から手をつけたら良いのか分からない」と感じる方は多いようです。
まずは、散らかった部屋を片付ける際に最適な手順を知り、片付けの流れをイメージしてみましょう。
1人で片付けられるレベルか判断する
部屋の状態によっては自力で片付けるのが難しく、業者に任せた方がよいケースもあります。
自分の部屋が1人で片付けられるかどうかは、以下の基準を目安に考えてください。
- その部屋で生活できている
- お風呂場・キッチン・洗面台などが問題なく使用できる
- 物が高く積み上がっていない
- 3DK未満の広さ
家が広くなるほど、片付けのハードルが上がります。掃除で利用できる水場があり、床が普通に歩ける状態で3DK未満の部屋であれば、自力で掃除することが可能でしょう。
自力で片付けるのが困難だと感じた場合は、専門業者の利用も検討しましょう。費用はかかりますが、散らかっている部屋でも短時間で片付けてもらえるため、結果的に労力とコストの節約につながるケースもあります。
必要な掃除用具を揃える
部屋を片付けようと決めた方は、必要な掃除道具をあらかじめ揃えておきましょう。片付けをしながら掃除道具を探す、もしくは足りなかったとなると、片付けの効率が下がってしまいます。
部屋の片付けに必要な掃除道具の例として次のようなものがあります。
- マスク(埃を吸い込まないため)
- 手袋
- ゴミ袋
- ハサミや紐(ダンボールや本などの処分のため)
- 掃除機
- ほうき
- はたき
- 雑巾
- モップ
- バケツ
- 粘着クリーナー
- 床用・窓用・壁用などの洗剤
部屋を片付ける日にちを決める
部屋を片付けるスケジュールは、無理をせずに余裕を持った日程で行うのがおすすめです。「1日で終わらせよう」と考えると、作業時間が長くなりモチベーションが低下する可能性が高くなります。
特に家全体が散らかっている場合、「今日は台所を片付ける日にしよう」「14時までにクローゼットを片付ける」など、掃除する範囲を限定して少しずつ片付けを進めてみましょう。
また、ゴミの収集日に合わせて片付けの日を決めると、片付けで出たゴミを何日も家の中に置いておかずに済みます。
大型のゴミが出る場合は、事前に各自治体が行っている粗大ゴミの回収方法も調べておきましょう。粗大ゴミの回収には予約が必要という自治体が多く、計画的に行うことでスムーズに掃除ができます。
今使っていないものは捨てる
部屋が散らかりやすい人の中には、物を捨てること自体が苦手という方もいます。そのため、家の中に物がどんどん増えてしまうのです。
しかし、「今使っていないもの」「なくても問題がないもの」は不要な物だと考えましょう。家にある物の量が多いほど、片付けのハードルが上がります。
必要か不要かをすぐに判断できない物は、一度「保留」にするのもおすすめです。保留に仕分けした荷物を捨てるかどうかの判断を別の日に回すことで、片付けが滞ってしまうリスクを減らせるでしょう。
必要な物は種類ごとに分けて片付ける
洋服と食器が同じ場所にあったり、雑貨と化粧品が混ざっていたりすると、物の場所が分かりにくくなり部屋が散らかる原因となります。家の中にある物はできるだけ種類ごとに分けて、適切な場所に収納してください。
また、クローゼットの中でもスカート・ボトムス・Tシャツ・長袖など、種類で収納場所を分けると、欲しい物がすぐに見つかりやすくなります。
分類することで「持っていることを忘れて同じものを購入してしまった」というようなトラブルが、起こりにくくなるでしょう。
部屋の床を掃除する
部屋の床に散らばった荷物を片付けた後は、床をきれいに掃除します。長期間散らかっていた床は、埃や汚れが蓄積しています。
掃除機をかけたりフローリングワイパーをかけたりして、床の汚れをきちんと取り除きましょう。
散らかった部屋を片付けるメリット

散らかった部屋でも問題なく生活できているため、片付けることに意味がないと感じる方もいます。
しかし、散らかった部屋を片付けることで、次のようなメリットが得られるでしょう。
達成感を得られる
「散らかった部屋を自力で片付けた」という経験から、大きな達成感を得られます。片付けが苦手な人ほど、得られる達成感が大きいでしょう。
部屋を片付けたことで得た達成感は、部屋を片付けた日だけでなく、綺麗な部屋を見る度に何度でも味わうことができます。
衛生的な空間で快適に過ごせる
部屋が散らかっていると、害虫が発生しやすくなります。特に食べ物や飲み物を長期間放置していると、虫やカビの温床になってしまう可能性が高いでしょう。
散らかった部屋を片付けることには、衛生上の問題も潜んでいるのです。
部屋の状態を良好に保てる
散らかった部屋は掃除をしにくいため、汚れや損傷が悪化しやすいといわれています。長期的に部屋が散らかっていると、部屋の劣化が激しくなります。
賃貸物件の場合は、汚れや損傷がひどいと退去時に高額な修繕費用を請求される可能性があります。賃貸物件の借主には原状回復義務があり、次の入居者のために汚れや損傷を修復しなければいけません。
ストレスを軽減できる
散らかった部屋で過ごしていると、自分では気づかないうちにストレスを感じていることがあります。その理由のひとつとして、視界に入る情報が多く、集中力を妨げてしまう可能性があるからです。
部屋が散らかっている状態が続くと、ストレスが溜まりやすくなるだけでなく集中力の低下を引き起こし、心理的にも不安定になりやすいとされています。
実際、心理学の研究では雑然とした空間が自己肯定感やモチベーションの低下につながる、という結果も報告されています。一方、部屋を片付けることで気分が改善し、自己肯定感の向上も期待できるという報告もあります。
散らかった部屋の片付けで試したい収納のコツ

散らかった部屋を一時的に片付けても、すぐ元通りになってしまうことがあります。部屋を片付けるときには、次のような収納のコツも知っておきましょう。
自分の動線を考えて片付ける
動線とは、自分が生活する中で動くときのルートのことです。自宅の間取りは、家事動線や生活動線を重視するとよいとされています。
たとえば帰宅後、バッグを床に置いてしまうクセがある方は、玄関からの生活動線上にバッグ置き場を設けるとよいでしょう。
さらに、シューズボックス(げた箱)の上に鍵置き場を作ることで、鍵やバッグが毎日違う場所に散乱するのを防げます。このように、自分の動線を考えながら収納場所を決めていくと、最低限の動きで部屋が散らかりにくくなるのです。
定位置に収納する
「物の住所」が決まっていないと、引き出しから出した物を一旦適当な場所に置き、そのまま放置してしまう可能性が高いです。
そのような状態が続くと、「どこに何があるのか分からない」「すぐ物が行方不明になる」などの問題が起こります。結果的に、同じ物を購入してしまったり、いつも物を探して時間を無駄にしてしまうことが多くなります。
収納場所を決めて定位置に戻す行動が習慣化されれば、家が散らかりにくくなるだけでなく、お金や時間を節約することにもつながります。
片付け習慣を身につける
部屋が散らかってしまわないように、毎日少しずつでも片付けをする習慣をつけましょう。たとえば、これまでゴミ箱がいっぱいになっても放置してしまう癖があった方は、「ゴミの日には家中のゴミ箱の中身を集めて捨てる」といった簡単な行動からスタートしてもよいです。
そのほか、寝る前にテーブル上の物を片付ける、床に直接物を置かないなど小さな習慣を取り入れると、部屋が散らかりにくくなります。
綺麗な部屋をできるだけ長く維持するためにも、できることから始めていきましょう。
散らかった部屋の片付けで役立つサービス
散らかった部屋を片付けるには、どうしても時間や労力がかかるものです。また「片付ける習慣が身につくか不安」という方も少なくありません。
そんな時は、外部のサービスを上手に活用することで、片付けの手間や負担を大きく減らすことができます。ここでは、散らかった部屋の片付けに役立つ便利なサービスご紹介します。
宅配型トランクルームなら自宅から荷物を預けられる
「荷物を預けたいけれど運ぶのが大変」「荷物が多すぎて家に置けない」と感じている方には、宅配型トランクルームが便利です。
専用ボックスや段ボールに荷物を詰めて申し込むと、自宅まで業者が集荷に来てくれます。多くのサービスでは、預けた荷物は温度や湿度の管理された倉庫で保管されるため、安心して利用できます。
また、荷物が必要な時はスマートフォンやパソコンから申し込むだけで配送してくれます。荷物を自分で取り出したり預けたりする手間がないので、家にいながら収納スペースを増やしたい方に最適なサービスです。
荷物が多いときはトランクルームの活用もおすすめ
「荷物が多すぎて片付けがうまくいかない」と感じている方には、トランクルームの活用をおすすめします。
四季がある日本では、季節ごとに衣類を入れ替えたり、使う家電が変わったりするため、どうしてもオフシーズンの物が収納スペースを圧迫しがちです。そのため、季節外の物がいつまでも場所をとっている状況は、できるだけ避けたいものです。
荷物の量が減るだけで片付けのハードルはぐっと下がります。トランクルームでは、オフシーズンの衣類や家電、趣味の道具、思い出の品など、どさまざまな荷物の保管に活用できます。
荷物の種類や量によって適した広さは異なるため、預けたい物の内容をあらかじめ整理したうえで、トランクルームを探すとスムーズです。
部屋を片付ける余裕がない場合は片付け業者の利用も
「忙しくて自分で片付ける時間がない」「部屋の散らかり具合がひどくて手に負えない」といった場合は、片付け専門業者の利用も検討しましょう。
専門のスタッフが効率よく片付けてくれるため、精神的・肉体的な負担を大きく減らせます。害虫駆除・消臭の対応や不要品の処分などのサポートしてくれる業者もあるので、自力で解決が難しいと感じたら一度相談してみるのもおすすめです。
自分に合った外部サービスの選び方
外部サービスを選ぶときは以下の項目を確認して、自分に合ったところを選ぶようにしましょう。
- 預けたい荷物の種類・量を確認する
- 出し入れの頻度を確認する
- 希望する保管環境があるか考える
- 自分で荷物を運べるかどうか確認する
- 利用料金とサービス内容を比較する
- セキュリティや保険対応を確認する
たとえば、温度や湿度管理が必要な書類や衣類、精密機器などであれば、適切な場所で保管してくれるサービスを選ぶとよいでしょう。
また、トランクルームを利用するときはアクセスの良さや24時間利用できるか確認しておくと、スムーズに荷物を出し入れできます。
効率的に片付けを進め、散らかった部屋をすっきりと整えるためには、自分に合った保管方法を見極めることも大切です。収納場所の工夫や外部サービスの活用を上手に取り入れて、快適な空間づくりを目指しましょう。