
ジーンズは丈夫なイメージがある一方で、収納方法を誤るとシワや型崩れ、カビや色あせを招くことがあります。実はデニム生地は、保管環境やたたみ方によって大きく状態が変わる繊細な素材です。
この記事では、限られたスペースを有効に使いながら、ジーンズやデニムアイテムを長く美しく保つための実用的で手軽な収納アイデアを紹介します。
目次
ジーンズ収納の基礎知識
ジーンズは一般的な衣服よりも厚みと重さがあり、デニム特有の特徴を理解したうえで収納することが重要です。まず、生地が厚いために一度ついた折り目やシワが残りやすく、無造作に畳むと型崩れの原因になります。また繊維が密に織られているため通気性が低く、湿気がこもるとカビや嫌な臭いが発生しやすい点にも注意が必要です。
さらにデニムはインディゴ染料など特殊な染色が施されており、摩擦や湿気によって色落ちや色移りを起こしやすいのも特徴です。濃い色のジーンズを薄い色の衣類と重ねて収納すると、知らないうちに色移りしてしまうこともあります。
このように「丈夫だから大丈夫」と油断してしまうと、実際には劣化を早めてしまうこともあります。ジーンズを長く愛用するには、生地の特性に合わせた収納方法を知り、正しい環境で保管することが欠かせません。
【方法別】ジーンズを収納するときのポイント

ジーンズを保管・収納する方法は、大きく分けると「たたむ」か「吊るす」の2種類です。それぞれにメリット・デメリットがあり、収納スペースや生活スタイルによっておすすめの方法は異なります。
以下で、それぞれの特徴と選び方のポイントを紹介します。
【たたんで収納する方法】
メリット | ・厚手や大きめサイズでもまとめやすい ・引き出しやケースに合わせて収まりやすい ・シーズンオフにまとめて保管しやすい |
デメリット | ・たたみジワがつきやすい ・上に重ねるとシワや型崩れの原因になる ・下に入れたものが取り出しにくい |
こんな人におすすめ | ・収納スペースが限られている ・衣装ケースや引き出しで整理したい ・複数本をコンパクトにまとめたい |
【吊るして収納する方法】
メリット | ・ジーンズのシワや折り目がつきにくい ・一目で見渡せるのでコーディネートしやすい ・通気性がよく湿気がこもりにくい |
デメリット | ・ハンガーをかけるクローゼットのスペースが必要 ・重さで腰や裾が伸びることがある ・ハンガー選びを間違えると型崩れの原因になる |
こんな人におすすめ | ・クローゼットに余裕がある ・すぐに取り出して使いたい ・型崩れやシワをできるだけ防ぎたい |
ジーンズの数や収納環境に合わせて、自分にぴったりの方法を選ぶことが大切です。自分に合ったスタイルを見つけるために、それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
たたんで収納する場合
ジーンズをたたんで収納する方法は、省スペースでまとめやすいのが大きな魅力です。ただし、そのまま積み重ねてしまうとシワや型崩れの原因になることも。
そこで、ちょっとした工夫を取り入れることで、見た目も使い勝手もぐっとよくなります。
たたんで収納ケースに入れる
ジーンズをたたんで収納ケースに入れる方法は、省スペースで整理しやすく、シーズンごとの入れ替えにも向いています。
大切なのは、シワをできるだけ防ぐたたみ方です。ジーンズを縦半分に折り、裾とウエストを揃えたら、三つ折りまたは四つ折りにして厚みを均一に整えましょう。こうすることで、重ねても安定しやすくなります。
収納ケースに入れるときは、重ね置きよりも本のように立てて並べる「ファイル収納」スタイルがおすすめです。下にあるものを取り出すときに崩れにくく、見た目もすっきりします
省スペースに丸めて収納する
ジーンズを丸めて収納する方法は、限られたスペースでも効率よく収められるのが大きなメリットです。
たたむと折り目やシワが残りやすい一方、丸めると柔らかく収まるため、シワが目立ちにくくなります。やり方はシンプルで、ジーンズを縦半分に折ったあと、裾からウエストに向かってくるくると丸めるだけです。
丸めたジーンズはケースやボックスに立てて並べると、取り出しやすく見た目も整います。カラーやデザインが一目で分かるため、コーディネートを選ぶときもスムーズです。
仕切りを使って収納する
収納ケースや引き出しに仕切りを加えると、ジーンズを見やすく、取り出しやすく収納できます。
仕切りを設けることで1本ずつ区切って収められるため、重なりによるシワや取り出しにくさを防げます。特にジーンズを複数本持っている方におすすめの方法です。
仕切りは専用の収納グッズだけでなく、ブックエンドや厚紙を使って自作することも可能です。立てて収納する際の支えになるので、ジーンズが倒れたり崩れたりしにくくなります。
色ごとや使用頻度ごとに区分けしておくと、目的の1本がすぐに見つかり、整理整頓が長続きしやすくなるのもメリットです。
ハンガーにかけて収納する場合
ジーンズを吊るして収納すると、シワや型崩れを防ぎつつ通気性も確保できます。ただし掛け方によっては生地に負担がかかることもあるため、ハンガー選びが大切です。
ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
デニムハンガー
デニム専用のハンガーは、ジーンズをウエスト部分で挟んで吊るすタイプです。
しっかり固定できるためずり落ちにくく、型崩れやシワも防げます。吊るしたまま丈やデザインが見えるので、履きたい1本をすぐに取り出せるのも便利です。
省スペースで複数本をまとめて収納できるタイプもあるので、ジーンズを多く持っている人におすすめです。
バー付きハンガー
バー付きハンガーは、ジーンズを二つ折りにしてバーに掛けるスタイルです。
扱いやすく、ハンガーがあればすぐに収納できる手軽さが魅力です。ただし、折り目の部分に跡が残りやすい点に注意が必要です。気になる場合は、折り目の位置をずらしたり、バーにタオルを巻いて厚みを持たせると跡がつきにくくなります。
シンプルで取り入れやすい方法なので、手軽に収納したい方におすすめです。
S字フック
S字フックは、ジーンズのベルトループにフックを通して吊るす方法です。
場所を取らずにジーンズを一目で見渡せ、気軽に収納できるのが特徴です。クローゼットのポールだけでなく、壁面ラックや玄関横などアイデア次第で自由に使えるのも魅力です。
ただし、長期間吊るすとベルトループに負担がかかるため、使うのは一時的な収納や普段よく履くジーンズに限定すると安心です。
ジーンズを大切に保管するための注意点

ジーンズを長持ちさせるためには、適切な保管環境を保つことが大切です。最後に、ジーンズを良い状態で収納(保管)するためのポイントをご紹介します。
完全に乾いてから収納する
ジーンズをしまう際は、完全に生地が乾いてから収納しましょう。ジーンズは生地が厚く、通気性も良くないため、乾かないまま収納してしまうとカビや虫食いの原因になるからです。
また、ジーンズ自体はもちろん、収納する場所の湿気対策も欠かせません。クローゼットや収納ケースにジーンズを収納する場合は、除湿剤などを活用して湿気がこもりにくいようにするとよいでしょう。
ジーンズ同士が重ならないように、スペースをあけて収納することも大切です。
直射日光を避けて収納する
ジーンズの収納場所は、直射日光が当たらない場所を選んでください。直射日光が当たると、生地の日焼けや変色を引き起こしてしまうからです。
棚のように扉がない場合は、遮光できるカバーやカーテンなどを使用して、ジーンズに直射日光が当たらないようにしましょう。
なお、洗濯後にジーンズを干す際に陰干しすることも、日焼け防止に役立ちます。洗濯後の乾燥時と収納時のどちらも、直射日光からジーンズを守りましょう。
ちなみに、濡れたジーンズの生地は乾燥しているときよりも繊細なので、シワがついたまま干してしまうと型崩れの原因になります。洗濯後の濡れたジーンズを干す際は、逆さ干しがおすすめです。
干す際はウエスト部分を下にして、風通しの良い場所で陰干ししてください。ウエスト部分の重さによって適度にシワが伸びるので、形を綺麗に保ったまま乾燥させられます。洗濯時のちょっとした工夫によって、ジーンズを美しく保てます。
シワにならないようにたたむ
ジーンズを干すときや収納するときには、シワがつかないようにしっかり伸ばしてたたむことも大切です。
シワがついたままたたむと、型崩れの原因になります。たたむ際は強い力を加えずに、しっかりシワを伸ばした上でたたみましょう。
洗わない場合は陰干しや臭い対策をする
ジーンズを洗わずに保管する場合は、陰干しや臭い対策を欠かさないようにしてください。カビや臭いの発生を抑えられるので、着用後は陰干しをするのがおすすめです。
臭い対策には、衣類用の消臭スプレーなどが効果的です。生地の裏側には皮脂や汗が大量についているので、ジーンズを裏返してスプレーを振りかけましょう。
汗や消臭スプレーなどが完全に乾き切ったことが確認できたら、適切な収納場所で保管します。
大切なジーンズを守るために
ジーンズは丈夫な素材ですが、収納方法を誤るとシワや型崩れ、色あせの原因になります。そのため、ラックやクローゼットなどの収納スペースに応じてたたむ・吊るすを使い分けることが大切です。
家の収納スペースに余裕がないものの、お気に入りのジーンズを長期保管したい場合は、湿度管理が行き届いたトランクルームの活用がおすすめです。収納方法を工夫することで、お気に入りのジーンズを長く美しく保てます。