
お気に入りのデニムを長く愛用するには、日々の扱い方だけでなく、保管方法にも気を配ることが大切です。
デニムは厚手の生地で重みがあるため、保管の仕方次第で型崩れや色あせを招いてしまうことがあります。
正しい環境で保管し、たたみ方や吊るし方を工夫することで、シルエットや風合いをきれいに保てます。ここでは、デニムを長持ちさせるための保管環境と収納のコツを紹介します。
目次
デニムを長持ちさせる正しい保管環境
デニムを良い状態で長く楽しむためには、まず保管場所の環境を整えることが重要です。直射日光や湿気、急な温度変化は、生地の劣化や色落ちの原因になります。
温度変化が少なく直射日光の当たらない場所に保管する
デニムは温度変化が少なく、直射日光の当たらない場所に保管しましょう。寒暖差や紫外線によって、生地が変色したり日焼けしたりすることがあるためです。
たとえば、窓際や日当たりの良い部屋にデニムを置いておくと、部分的に色あせてしまうことがあります。また、洗濯後に干すときも直射日光は避け、風通しの良い場所で陰干しするのが理想です。
湿気対策をする
デニムを保管する際は、湿気対策をしっかり行いましょう。湿気がこもるとカビや虫食いの原因になり、生地が傷むおそれがあります。収納場所には除湿剤や乾燥剤を置き、湿度を一定に保つことが大切です。
また、洗濯後は完全に乾いてから収納することも重要です。少しでも水分が残っていると、デニム内部に湿気がこもり、臭いや変色の原因になります。
収納ケースに詰め込みすぎず、洋服の間に少し隙間をつくって風通しを良くしましょう。空気の流れがあるだけでも、カビの発生を大きく防げます。
通気性の良い収納アイテムを使う
デニムを収納する際は、湿気がこもりにくい通気性の良いアイテムを選びましょう。厚手のデニムは乾きにくいため、風通しの悪い収納ではカビや臭いの原因になります。
よく着るデニムは、蓋のないバスケットやワイヤーラック、ハンガー収納など、空気が通る形で保管すると出し入れも簡単です。一方、あまり着ないデニムは、通気性のある布製ケースにたたんで保管すると安心です。埃や汚れを防ぎながら、湿気もこもりにくくなります。
プラスチック製ケースを使う場合は、防虫剤を入れて虫対策を行いましょう。ときどきケースから取り出して風を通してあげると、湿気防止にも効果的です。
型崩れを防ぐ!デニム収納の実践テクニック

デニムを長くきれいに保つには、型崩れしにくい収納方法を選ぶことが大切です。
収納には「たたむ」と「吊るす」の2通りがあり、収納スペースや使用頻度に合わせて使い分けると良いでしょう。
正しいデニムのたたみ方
デニムに適したたたみ方は、収納ケースに入れるのか、見せる収納とするのかによって異なります。
デニムを収納ケースに入れる場合は、次の手順でたたむと型崩れやシワを防げます。
- 両足を合わせて半分に折る
- 股の三角部分を内側に折り込み、長方形に整える
- 収納ケースの大きさに合わせてもう一度折る
詰め込みすぎるとシワや湿気の原因になるため、ゆとりを持たせて収納しましょう。
また、見せる収納として保管する場合は、デニムを丸めて立てるのがおすすめです。
デニムを半分に折り、裾側からウエストに向かってゆるく巻くだけでOK。丸めたら、カゴやボックスに立てて並べると見た目もすっきりします。
クリップハンガーで吊るす収納
デニムを吊るして収納したい場合は、ピンチ付きのクリップハンガーが便利です。
分厚い生地でもしっかり固定でき、折りジワがつきにくいのが特徴です。
- デニムを縦半分に折る(センタープレスができるように)
- ウエスト部分をクリップで挟み、吊るす
縦のスペースを活かしたいクローゼット収納におすすめです。
パンツハンガー・S字フックを活用する
パンツハンガーを使う場合は、デニムの両裾をバーにかけるだけで簡単に吊るせます。 両方の裾を重ねてかけることで、生地がバーにしっかりと固定され、滑り落ちにくくなります。
S字フックを使う場合は、デニムのベルトループにフックを通して吊るすだけ。 ただし同じループに長期間かけ続けると傷むため、定期的にかける位置を変えましょう。
デニムの洗濯頻度と正しい扱い方

デニム本来の風合いや色合いを長持ちさせるためには、適切な洗濯頻度や洗い方、干し方を知っておくことも大切です。他の服と同じようにデニムも自宅の洗濯機で洗えますが、間違った方法で洗うと、色落ちや型崩れの原因になることもあります。
ここでは、デニムを長持ちさせるための洗濯頻度や正しい扱い方を紹介します。
洗濯は3~5回着用ごとが目安
デニムは3〜5回着用したら洗濯するのが理想です。
「洗わないほうが味が出る」と言われることもありますが、それは綿100%のビンテージデニムなど、特別な素材のものに限ります。
一般的なデニムは、着用中に皮脂や汗が付着すると雑菌が繁殖し、においや生地の劣化を招くことがあります。特に夏場や湿度の高い時期は、汚れがたまりやすいため早めの洗濯を心がけましょう。
また、ストレッチ入りのデニムは汚れを放置すると化学繊維が傷みやすいため、より定期的な洗濯が必要です。
清潔を保ちながら、デニムの風合いも長持ちさせましょう。
デニムの正しい洗濯方法(洗濯機OKの場合)
洗濯機でデニムを洗うときは、水温・洗剤・洗い方の3つがポイントです。
①水は低温(常温の水道水)で洗う
お風呂の残り湯など温かい水を使うと、色落ちや縮みの原因になります。必ず低温の水道水を使いましょう。
②中性洗剤を使う
アルカリ性洗剤は洗浄力が強く、色あせを招きやすいため避けましょう。
デニム用またはおしゃれ着用の中性洗剤を使うことで、色落ちや型崩れ、シワを防げます。
③裏返してネットに入れる
デニムを裏返してたたみ、洗濯ネットに入れて洗うと、摩擦による色落ちを防ぎやすくなります。
洗う前にボタンとファスナーを閉じ、ロールアップしている部分は戻しておきましょう。
デニムの干し方
デニムを干すときは、裏返したまま風通しの良い場所で陰干ししましょう。直射日光に当てると、紫外線の影響で色落ちや色あせが起こりやすくなります。
ピンチ付きのハンガーを使ってデニムを筒状に吊るすと、風が全体に通りやすくなり、シワも自然に伸びます。腰や裾を2〜3か所つまんで吊るすと、立体的に乾かせます。
なお、乾燥機の使用は避けてください。高温によって生地が縮んだり、風合いが損なわれるおそれがあります。屋外で干せない場合は、除湿機や扇風機を使って、風が通る室内でゆっくり乾かしましょう。
デニムを正しく保管して長く楽しもう
デニムは丈夫な素材ですが、保管方法を誤ると型崩れや色あせが進んでしまいます。直射日光や湿気を避け、通気性の良いケースやハンガーを使えば、シルエットや風合いを長く保てます。
収納時は詰め込みすぎず、定期的にデニムを取り出して風を通すのがポイントです。もし自宅での保管が難しい場合は、温度・湿度が管理された屋内型トランクルームを活用してもよいでしょう。
正しい環境で保管すれば、お気に入りのデニムをいつまでも快適に楽しめます。






