
ブーツは、寒い季節に大活躍してくれるファッションアイテムの一つです。
ところがシーズンオフになり、ブーツをそのまま放置していたら「カビだらけになっていた」「型崩れしていた」といったショックな経験をしたことはありませんか?
お気に入りのブーツをできるだけ長く履くためには、きちんとお手入れして正しい方法で保管しておかなければなりません。
そこで今回は、ブーツの保管に適した場所やお手入れ方法を解説します。おすすめの収納方法も紹介しますので参考にしてください。
目次
ブーツを保管するうえでの注意点
いやなニオイやカビ、シミなどを防ぐためには、ブーツを保管する前に必ずお手入れをしましょう。
その際、注意すべき点を4つ挙げてみました。
①汚れを落とす
シーズンを通して使用したブーツは、ホコリや泥などで思った以上に汚れています。そのまま放置しておくと、ブーツの劣化を早めてしまうかもしれません。
保管する前には、ブラシを使ってブーツの表面を丁寧にブラッシングして、しっかりとブーツの汚れを落としましょう。
②カビ対策
ブーツの中は蒸れやすく、雨や雪で表面が濡れることもあるため、湿気対策をせずに保管するとカビが生えてしまう恐れがあります。
保管前に汚れを落としたら、革用の除菌スプレーを吹き付けてカビの発生を防ぎましょう。
湿気対策としておすすめなのは、新聞紙を丸めてブーツの中に入れておく方法です。除湿や消臭ができるだけでなく、型崩れの防止にもなります。
ほかにも、100円ショップで気軽に購入できる「竹炭の乾燥・脱臭剤」もおすすめです。
③乾燥対策
革製のブーツは、乾燥するとシワができやすくなります。できたシワを放置すると、ひび割れてしまうことも…。
湿気対策だけでなく、乾燥対策も必要なのがブーツの管理の難しいところです。
ひび割れないように、革専用の保護クリーム(デリケートクリーム)を塗り、乾燥を防ぎましょう。
④型崩れ対策
ロングブーツの場合はそのまま置いておくと、しだいに横倒れになっていきます。
倒れた状態で保管し続けると、シワができやすくなったり、型崩れしたりして履き心地が悪くなることもあります。
ブーツを長持ちさせるためには、型崩れ対策も必須です。
ブーツの保管場所
ブーツをきちんとお手入れしたからといって、どこに保管してもいいわけではありません。
ここでは、ブーツの保管場所に適している場所と適していない場所を紹介します。
適している場所
ブーツの保管場所として適している条件は、湿気が少なく風通しの良い環境であること、あるいはブーツを出し入れしやすい場所であることです。
とはいえ、2つの条件が揃った場所を家の中で見つけるのは難しいので、どちらか1つを満たす場所を選びましょう。
■玄関の靴箱

玄関の靴箱や玄関周りの収納スペースは、ブーツを着脱する場所なので保管場所としては最適です。しかし、玄関は湿気が溜まりやすいため、湿気対策を万全にしておく必要があります。
- 保管するときは湿気の影響を受けにくい上段に置く
- こまめに扉を開けて換気を心がける
- ブーツをケースや箱に入れている場合は、ときどき中から出して風を通す
- 市販の乾燥剤や重曹などを置いて湿気を取り除く
シーズン中はブーツを出し入れしやすいよう下段に置き、シーズンオフになったら上段に移動させておくのがポイントです。
上段に保管スペースがない場合は、そのまま下段でも構いませんが、十分な湿気対策をおこなってください。
■クローゼット・押し入れ

クローゼットや押し入れも、ブーツの保管に適しています。靴箱同様、下段ではなく上段での保管がおすすめです。
普段から開閉する場所ならば、特に換気を意識する必要はありません。
換気できないようなら、定期的にサーキュレーターや扇風機などで風を通して除湿しましょう。
■トランクルーム

自宅でブーツの保管場所を確保できない場合は、トランクルームを利用するのも解決策の一つです。
トランクルームには「屋外型」「屋内型」「宅配型」の3種類があります。そのうち「屋内型」と「宅配型」のトランクルームは、空調設備が整っている環境であることがほとんどです。湿気に弱いブーツでも安心して預けられ、自宅の収納スペースの節約にもなります。
特に、収納スペースが限られている一人暮らしの方やブーツをたくさん持っている方は、ぜひトランクルームの利用を検討してみてください。
適していない場所
湿気が溜まりやすく換気が難しい場所は、ブーツの保管に向いていません。大切なブーツの劣化を防ぐためにも、適していない場所での保管は避けましょう。
■ベッドの下
ベッドの下はデッドスペースとして活用したいところですが、湿気が溜まりやすいためブーツの保管にはおすすめしません。
ベッドの下は掃除しにくいのでホコリが溜まりやすく、カビが生えやすい条件である「温度」「湿気」「栄養(ホコリ)」の3つが揃っているため、カビの温床になりやすいからです。
収納付きベッドも、湿気が溜まりやすいのでブーツの保管に適していません。
いずれにしてもベッド下ではなく別の場所を選びましょう。
■ベランダ
部屋の中に収納スペースがない場合、ベランダ収納を考える人もいるかもしれませんが、ベランダは屋外なのでNGです。濡れてしまう恐れがあるだけでなく、日焼けによる劣化も懸念されます。
コンテナなどの収納ケースに保管していても、隙間から水が入り込む可能性があるため安心はできません。ブーツの保管場所は屋内にしましょう。
■水回りの近く
水回りは湿気が溜まりやすい場所のため、湿気対策をしたとしてもブーツの保管場所には適していません。
水回りに収納スペースがあっても避けてください。
ブーツのお手入れ方法
ブーツの正しいお手入れ方法を覚えれば、お気に入りのブーツが長持ちします。
これまで簡単なお手入れしかしてこなかった方は、これから紹介する方法を実践してみてください。
基本のお手入れ方法
まずはブーツのお手入れに必要なものを用意しましょう。

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※ブーツの素材によって必要なものは変わります。ブラシの素材は、用途やブーツの素材に適したものを選んでください。
ここからは基本のお手入れ方法を説明します。
【1】 靴紐やバックルを外す
ブーツの紐やバックルを外すことで、細かい部分の汚れをラクに落とせます。
【2】ブーツ用のシューキーパーや丸めた新聞紙を中に入れる
必ずしも入れる必要はありませんが、入れたほうがクリームの塗りムラが少なくなります。
【3】ブラシを使って表面の汚れを落とす
革製品には馬毛または豚毛、スエードはスエードブラシを使ってください。
ブーツ全体を適度な力加減で磨きながら汚れを落としていきます。ブラシが届きにくい複雑な部分の汚れには、使い古しの歯ブラシを使うのがおすすめです。
【4】革専用クリーナー(ステインリムーバー)で汚れを落とす
革専用クリーナーを古布に適量ふくませ、ブーツ全体を拭いていきます。古いクリームやブラッシングで浮き出た汚れは擦り落としてみてください。
ヒール周りや靴底もしっかり拭き取りましょう。
【5】革専用の保護クリーム(デリケートクリーム)を塗る
次に革専用の保護クリームを塗ります。古布(汚れ落としに使ったものとは別のもの)に適量取り、ブーツ全体に塗っていきましょう。
保護クリームを塗ると、革のひび割れやシワを防げます。ただし、クリームの塗りすぎはカビの原因になる可能性があるので注意が必要です。
【6】表面を磨いたら、全体を乾拭きする
仕上げに表面をもう一度ブラッシングします。終わったら、全体を乾拭きしてツヤを出します。
【7】革用除菌消臭スプレーをかける
除菌消臭スプレーをブーツの中と靴底にかけましょう。ニオイやカビを防げます。
【8】 陰干しでよく乾かす
ブーツは直射日光に当てると色落ちや劣化の原因になります。そのため、乾燥させるときは風通しの良い場所で陰干ししてください。時間をかけてゆっくり乾かすのがポイントです。
ここまでが一般的なブーツのお手入れ方法になります。
もし白カビが生えていたら、乾いた古布でカビを拭き取りましょう。その後、革用の除菌スプレーを別の古布に吹きかけて、もう一度拭き取ります。
ブーツを陰干しした後、通常のお手入れをすればOKです。
スエードやムートンブーツのブラッシングはスエード用ブラシを使ってください。保護クリームを塗る必要はありません。上記の工程の5と6は省略します。
お手入れの際の注意点
ブーツのお手入れは、素材ごとにお手入れ方法が異なります。
それぞれの素材に合わせた方法でお手入れをしましょう。
■スエード
スエードは牛や羊などの革の裏側を起毛させた革です。デリケートな革なので、お手入れの際は必ずスエード専用のブラシを使いましょう。
汚れやシミが付着してしまった場合は、スエードクリーナーを使って目立たなくできますが、完全に除去することはできません。
シミを防ぐために、必ず防水スプレーがかかっている状態でお出かけしてください。雨の日に履くのは避けたほうが無難です。
■革
本革は履く前に防水スプレーをかけましょう。革は水に弱いため、濡れるとシミやカビの原因になってしまいます。
雨や雪で濡れてしまった場合は、すぐにお手入れをしてください。
■合皮
合皮は本革に比べてカビが生えにくい反面、劣化が早いのが特徴です。革のお手入れよりも簡単で、ブラシで汚れを落とし、水拭きで汚れを拭き取ればOKです。
ただし、こびりついた汚れを無理に剥がそうとすると合皮も一緒に剥がれてしまう可能性があるので、汚れは早めに落としましょう。
■紐のあるブーツ
靴紐がついているブーツは、紐を外してお手入れをしましょう。紐にも汚れが付着しているので、そのまま放置しておくとお手入れしたブーツを汚してしまいます。
本革の紐の場合は乾燥で切れてしまいやすいため、汚れを拭き取ったらオイルを塗っておくと劣化を遅らせることができます。
紐が傷んでいたら交換することもブーツを長持ちさせるポイントです。
ブーツの保管方法
ブーツを保管・収納する際は、「型崩れ」「ニオイ」「湿気」に注意しなければなりません。
そこで、ブーツの保管におすすめの方法を4つ紹介します。自分に合った保管方法を見つけるために、いくつか試してみてください。
ケース・購入時の箱

ブーツのサイズに合ったケースや購入した際の外箱を利用して保管するのがもっとも簡単な方法です。
ショートブーツはそのままでも問題ありませんが、ロングブーツはそのまま立てて保管しておくと横倒しになってシワになってしまう恐れがあります。
その点、外箱ならピッタリサイズでどこにでも収納しやすいでしょう。
ケースや箱に入れて保管する場合は、中に除湿剤を入れておくことをおすすめします。
また、箱には除菌スプレーをかけてカビ対策もしておきましょう。
袋

ブーツを袋に入れて保管する場合は、型崩れに注意しなければなりません。
ブーツの中に丸めた新聞紙やブーツキーパーを入れて保管したほうが型崩れを防げるので安心です。新聞紙なら除湿効果もあります。
袋は、通気性の良い不織布や綿素材のものを選びましょう。ブーツ専用の収納袋を利用するのもおすすめです。
ブーツキーパー

ロングブーツをそのまま立てて保管したい場合は、型崩れを防ぐためにブーツキーパーを利用しましょう。
丸めた新聞紙を詰める方法もありますが、詰め方が甘いと自立しないかもしれません。
ブーツキーパーを使ったほうがしっかりと固定されるので安心です。
吊るす

ブーツを吊るして保管すると型崩れを防げるのでおすすめです。ブーツ専用のハンガーを使ってもいいですし、クリップの付いたスカートハンガーでも代用できます。
ブーツとクリップの間に薄くカットしたメラミンスポンジを挟んでおくと、ブーツにクリップの跡がつきません。
正しいお手入れと適切な保管方法でブーツを長持ちさせよう
正しいお手入れ方法を覚えて適切な方法で保管すれば、大切なブーツの劣化を防げます。
そのためには、保管前にはご紹介した方法できちんとお手入れし、保管場所には湿気が少なく通気性の良い場所を選ぶことが大切です。そして、湿気や型崩れしないように適切な保管方法をおこなえば、ブーツは長持ちします。
ここまでご紹介したことを実践し、お気に入りのブーツで冬のコーディネートを楽しんでください。
<監修者>
藤野こと
整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト。片付けコラムニストとして整理収納や時短家事の記事を多数執筆。「家事は素早くラクに」がモットー。生活動線を短くして楽家事となる仕組みづくりを考えるのが得意。個人・企業向けにオンラインによる片付けコンサルティングも手がけている。
インスタグラム:https://instagram.com/cocco_maison