旅行や出張などで荷物がたくさんある時に、持ち運びをラクにしてくれるアイテムがキャスター付きのスーツケースです。
しかし、毎日使うモノではないため、普段は保管しておかなければなりません。スーツケースは大きくてかさばるので、収納場所に悩む方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、スーツケースの収納場所や保管方法、お手入れの仕方を紹介します。使っていない時に有効活用する方法もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
スーツケースの収納場所
スーツケースはかさばるため、スペースの確保が必要です。
ここでは、収納場所として適している場所を6つ紹介します。それぞれのメリット・デメリットを知っておけば、自分にとって最適な収納場所が見つかるでしょう。
1.クローゼット・押入れ・納戸
クローゼットや押入れ・納戸は、スーツケースの収納場所として最も適しています。
幅や奥行など十分なスペースを確保でき、旅行や出張で身につける洋服をすぐにパッキングできるのがメリットです。
スーツケースの定位置をどこにするかは、どれくらいの頻度でスーツケースを使用するかによって異なります。
スーツケースは重いため、基本的には落下のリスクがない下段を収納場所にするのがおすすめです。その場合は、縦置きでも横置きでもかまいません。キャスターが付いているため、奥に入れても取り出しやすいでしょう。
使用頻度が1年に1度くらいの場合は、スーツケースを横倒しにして押入れの天袋や納戸の奥にしまっておけば、ほかのモノの出し入れの邪魔になりません。どうしても上段に置きたい場合は、落下の危険性が少ない安定した棚を選び、キャスターが接地しない横向きで収納してください。
2.シューズクローク
玄関に広いシューズクロークがあるなら、スーツケースの収納場所としておすすめします。
使用後のスーツケースのキャスターは汚れていますから、そのまま室内に入れることに抵抗がある方もいるでしょう。シューズクロークなら、キャスターに汚れが残っていてもそんなに気にせずに保管しておけます。
また、スーツケースの中に防災グッズを入れて玄関に保管しておけば、災害時の備えとして役立ちます。
ただし、スーツケースを収納すると靴や傘などの玄関に必要なモノが収納しきれないのであれば、シューズクロークは収納場所として適切ではありません。邪魔になるので別の場所での保管を考えましょう。
3.ベッドやソファーの下
クローゼットやシューズクロークのような広いスペースがない場合におすすめなのが、ベッドやソファーの下です。デッドスペースになりがちな場所をスーツケースの収納場所として活用できます。
ベッド下に収納する際は、スーツケースの中にオフシーズンの寝具や洋服などを保管しておくと、衣装ケースの代わりにもなり便利です。
ただし、湿気やホコリが溜まりやすい場所のため、カビが発生しないよう除湿剤を入れるなど対策をしっかりおこなって、こまめな掃除を心がけましょう。
4.あえて「見せる収納」にする
スーツケースを「見せる収納」として、リビングや寝室などにそのまま置いておくのも一つの手です。おしゃれなスーツケースなら、インテリアのアクセントになるでしょう。帽子やガイドブックなどをスーツケースの上に置き、旅の気分を味わえる空間をつくるのもいいかもしれませんね。
出しっぱなしの「見せる収納」は、頻繁にスーツケースを使う方にとっては出し入れの必要がなく便利です。さらにスーツケースの中に旅行グッズをまとめて入れておけば準備があっという間に終わります。収納スペースの節約にもなるでしょう。
5.車のトランク
室内にスーツケースを収納するスペースがない場合は、車のトランクに保管しておく方法もあります。
しかし、車のトランク内は温度が変わりやすいため、湿気によるカビの発生や熱による変形に注意しなければなりません。やむを得ない場合を除いては、スーツケースの保管はできる限り屋内を選んでください。
6.トランクルーム
スーツケースが複数あったり、自宅の収納スペースが足りなかったりする場合は、トランクルームを活用しましょう。湿気の影響を受ける屋外型よりも、温度や空調管理が整っている屋内型トランクルームの方がおすすめです。
料金はかかりますが、スーツケース以外のモノも一緒に預けられるため、自宅がスッキリします。
海外旅行用の大きなスーツケースだけをトランクルームに預け、よく使う小さなスーツケースは自宅で保管するといったように使い分けるのもいいと思います。
スーツケースを保管する際の注意点
スーツケースは丈夫な造りですが、劣化を早めないように保管の際に注意しなければならないことがあります。
適切なお手入れと保管方法で、長く使えるようにしましょう。
使用後はすぐにお手入れ
スーツケースを使用した後のキャスターは、かなり汚れています。そのまま室内に持ち込んでしまうと、家の中まで汚れてしまいます。また、キャスターの車軸についた砂や糸クズなどは、車軸に巻き付くと故障の原因にもなります。
スーツケースの使用後は、濡れた雑巾や古布で本体とキャスターの汚れをしっかりと拭き取ります。さらに除菌シートで拭くと安心です。スーツケースの内部は小さめの掃除機やハンディクリーナーなどでゴミを吸い取ってください。
外側と内側のお手入れが終わったら、スーツケースを開いたまま陰干ししておきましょう。干すことで、湿気やニオイを除去できます。
湿気対策をする
スーツケースの保管時にもっとも注意しなければならないのは湿気です。湿気対策を怠ると、スーツケースの内側にカビが生えてしまう可能性があります。
そのため保管する際は、スーツケースの中に除湿剤や乾燥剤を入れておくことをおすすめします。また、保管場所の環境は湿気の少ない場所を選び、ときどき換気をおこないましょう。
ホコリが被らないようにするために、カバーをかけるのはOKです。しかし、ビニール袋に入れると湿気が溜まってしまうので、不織布など通気性のあるカバーを選んでください。
直射日光を避ける
スーツケースの保管場所として、直射日光が当たる場所は適切ではありません。なぜなら、直射日光が当たると日焼けによる色あせや素材の劣化が起こってしまうからです。
また、直射日光の熱によってスーツケースの中の温度が上がり、カビが生えやすい環境になってしまうこともあります。
スーツケースを保管する際は直射日光を避け、温度変化の少ない場所を選びましょう。
鍵の保管に注意
スーツケースを長期間使用しない場合、意外と紛失しがちなのがスーツケースの鍵です。鍵はたいてい2本ついていますので、定位置を決めて鍵を管理してください。
旅先では、鍵を別の場所に入れ、なくした時のリスク回避をしますが、自宅で保管している間は2本とも同じ場所に収納しても問題ありません。
スーツケースの保管に適さない場所
スーツケースは耐久性に優れているので、どこで保管しても問題ないと考えてしまいがちですが、意外とデリケートな部分があります。スーツケースを長持ちさせるためにも、保管に適さない場所を知っておきましょう。
屋外
屋外での保管は、直射日光や湿気の影響を受けやすいため、スーツケースの劣化を早めてしまいます。
そのため、庭の物置やガレージなどはスーツケースの保管場所に向いていません。
ベランダ
ベランダは、直射日光や雨風にさらされるため、保管場所として適していません。そのまま置いておくのはもちろん、ベランダに設置している物置やコンテナなどに入れて保管するのもおすすめはできません。
スーツケースを使わない時の有効活用
スーツケースを使わない時に、中身が空っぽの状態で保管しておくのはもったいないと考える方もいるのではないでしょうか。
スーツケースの中も貴重な収納スペースとなります。ここでは、スーツケースを使った収納アイデアを紹介します。
旅行グッズを収納する
スーツケースの中に旅行グッズを収納しておけば、必要なモノをあちこちから出してこなくて済むので旅行の準備がスムーズにできます。特に、スーツケースの使用頻度が高い方には、旅行グッズをひとまとめに保管できるのでおすすめです。
防災グッズを収納する
防災グッズの収納場所にお困りの方には、スーツケースに防災グッズを収納してみてはいかがでしょうか。キャスター付きなので、飲料水や非常食などの重い備蓄品を入れていても、スムーズに持ち運びが可能です。
衣類や寝具類を収納する
クローゼットやベッド下にスーツケースを保管する場合は、オフシーズンの寝具や洋服を収納しておくとスペースの節約になります。かさばるアウターや肌掛け類などをコンパクトにしまっておけて便利です。
ただし、湿気対策をしっかりして、カビが生えないよう注意しましょう。
レジャー用品やイベント用品を収納する
スーツケースは、スキーやスノーボ―ドのグッズや家庭用プールなど、一定期間だけ使用するレジャー用品や、お正月飾りやクリスマス飾り、ハロウィングッズなどのイベント用品を収納しておくスペースとしても便利です。丈夫な造りのスーツケースなら、壊れやすいモノを入れても衝撃を受けにくいので安心です。
不用品を一時保管する
リサイクルショップに持ち込むモノを入れておけば、そのまま不用品を運搬することができるので一石二鳥です。重くて持ち運びが大変な本や雑誌を一時的に保管して、不用になったらリサイクルショップへそのまま運ぶことができます。
スーツケースは正しいお手入れと保管方法で収納を。スペースの有効活用にも便利
スーツケースは、かさばりやすく収納が難しいと思うかもしれませんが、ここで紹介したように適した収納場所はいくつかあります。部屋の使い方をイメージして、自分にとって収納しやすい場所を選んでくださいね。
保管する前は必ずお手入れをおこない、正しい方法で保管することがスーツケースを長持ちさせるコツです。
スーツケースの中を収納スペースとして有効活用しながら、賢く使っていきましょう。
<監修者>
藤野こと
整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト。片付けコラムニストとして整理収納や時短家事の記事を多数執筆。「家事は素早くラクに」がモットー。生活動線を短くして楽家事となる仕組みづくりを考えるのが得意。個人・企業向けにオンラインによる片付けコンサルティングも手がけている。
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