引っ越し難民にならないために!予約が取れない時期の賢い動き方


新生活シーズンが近づくと、希望日に引っ越し業者が見つからず困ってしまう「引っ越し難民」という言葉を耳にする機会が増えました。
予約が取りづらい時期でも慌てず引っ越しをスムーズに進めるポイントを紹介します。
引っ越し難民とは。社会問題になっている理由
引っ越し難民という言葉は、ここ数年でぐっと身近なものになりました。まずはその意味と、なぜ社会問題として取り上げられるようになったのか、背景から順番に見ていきましょう。
引っ越し難民とは
引っ越し難民とは、希望する日程で引っ越し業者に依頼をかけても予約が取れず、引っ越しそのものが思うように進められない状態を指す言葉です。
特に進学や就職、転勤といったライフイベントが集中する2月から4月にかけて多く発生し、複数の業者に問い合わせてもすべて満員だった、あるいは見積もりの返事すらもらえなかったという声も珍しくありません。
予約が取れないまま入居日を迎えてしまうと、退去と入居のスケジュールがずれてしまったり、急きょ自力での引っ越しを検討せざるを得なくなったりと、生活面でも大きな負担がかかってしまいます。
引っ越し難民が増えている背景
引っ越し難民が生まれている背景とその理由について紹介します。
引っ越し繁忙期への予約集中
引っ越し業界には、もともと明確な繁忙期と閑散期があります。オンライン見積もりサービス「ミツモア」が2026年に発表した調査によると、2025年3月の引っ越し依頼件数は、繁忙期以外にあたる5月から1月の平均と比較して4.6倍にまで増加しています。

出典:株式会社ミツモア「引越し料金動向と利用者アンケート調査の結果」
さらに3月後半になると依頼がより集中し、月末の土曜日の希望者数は月初の平日と比べて5.7〜7.6倍にも達したという結果も出ています。
国や業界団体が引っ越し時期の分散を呼びかけてはいるものの、進学や人事異動のタイミングをずらすのが難しい家庭が多く、結果として毎年同じ時期に依頼が集中する構造は変わっていないのが実情です。
ドライバー・作業員不足
引っ越し業界では、以前からドライバーや作業スタッフの人手不足が課題となってきました。長時間労働になりやすい割に賃金水準が他業種と比べて低いことや、少子高齢化によって現場を支える若い世代そのものが減っていることが主な要因です。
繁忙期には限られた人員をフル稼働させても対応しきれず、予約の受付自体を早い段階で締め切ってしまう業者も出てきます。
物流の2024年問題の影響
追い打ちをかけているのが、いわゆる「物流の2024年問題」です。2024年4月から働き方改革関連法にもとづき、トラックドライバーの時間外労働に年960時間という上限が設けられました。
ドライバーの労働環境を守るための規制ではありますが、稼働できる時間そのものが減ることになるため、業界全体で運べる荷物の量が縮小するという副作用も生まれています。
全日本トラック協会の試算では、こうした状況に対して何も対策を取らなかった場合、営業用トラックの輸送能力は2024年時点で14.2%、2030年には34.1%も不足する可能性があるとされています(出典:全日本トラック協会「知っていますか?物流の2024年問題」)。
引っ越しトラックも例外ではなく、この影響が予約の取りづらさに拍車をかけていると考えられます。
燃料費・人件費の高騰
燃料費や人件費の上昇も見逃せないポイントです。ガソリンや軽油の価格が上がれば運送コストは押し上げられ、人手不足を補うための賃上げも進めば、当然その分は引っ越し料金に転嫁されていきます。
料金が上がるだけでなく、コストを抑えるために稼働台数を絞る業者が増えれば、それだけ予約枠自体も減ってしまうという悪循環につながります。
こうした背景を踏まえると、引っ越し難民にならないためには、早め早めの行動がやはり一番の近道になりそうです。具体的にどんなことができるのか、次の章で見ていきましょう。
引っ越し難民にならないためにできること

繁忙期であっても、少しの工夫と早めの準備で予約が取れないリスクはぐっと減らせます。
早めに見積もりを依頼する
もっとも基本的で効果的なのが、引っ越し予定が決まった時点ですぐに見積もりを依頼することです。
繁忙期は予約枠そのものが早々に埋まっていくため、1カ月前どころか2〜3カ月前から動き出す方も増えています。荷物量や日程がまだ確定していなくても、概算の見積もりだけ先に取っておくことで、後から慌てずに済みます。
引っ越し日時を柔軟に調整する
土日祝日や月末に依頼が集中するのは、先ほどのデータからも明らかです。
もし調整がきくのであれば、平日や月の前半・中旬を候補に入れてみるのがおすすめです。同じ時期でも曜日をずらすだけで予約が取りやすくなり、料金面でも優遇されるケースが多く見られます。
複数の引っ越し業者へ相談する
1社だけに絞って問い合わせると、断られた時点で振り出しに戻ってしまいます。
最初から複数の業者に同時に相談しておけば、どこか1社でも予約が取れる可能性が高まりますし、料金やサービス内容を比較しながら選ぶことができます。
一括見積もりを依頼するウェブサービスを利用すれば、問い合わせの手間を省くことができます。
繁忙期を避けられるなら時期を変更する
進学や入社のタイミングに縛られない引っ越しであれば、思い切って繁忙期そのものを避けてしまうのもひとつの手です。
5月から1月にかけては依頼件数も落ち着き、料金も繁忙期の3月と比べて抑えられる傾向にあります。スケジュールに融通が利く方は、この時期をねらってみる価値は十分にあります。
とはいえ、あらゆる手を尽くしても、どうしても予約が取れない場合もあるかもしれません。そんなときのための対処法も知っておくと安心です。
引っ越し業者が予約できない際の対処法

引っ越し業者の予約がどうしても取れなかった場合でも、慌てる必要はありません。業者に頼らない引っ越しの方法や、荷物の一時的な預け先について紹介します。
レンタカーを借りて自力で引っ越す
荷物量が比較的少ない単身の引っ越しであれば、レンタカーやカーシェアを利用して自力で運ぶという方法もあります。
業者に依頼するよりも費用を抑えられる場合が多い一方、大型家具や家電の運搬には人手と時間がかかるため、体力面や安全面を考えたうえで判断することが大切です。
宅配便で荷物を送る
段ボールに収まる範囲の荷物であれば、宅配便やゆうパックを使って新居へ直接送ってしまう方法も便利です。
特に本や衣類、日用品などかさばらないものはこの方法と相性がよく、引っ越し当日に運ぶ荷物量そのものを減らせます。
家族や知人に協力してもらう
車を持っている家族や友人に手伝ってもらえるのであれば、心強い選択肢になります。
ただし、大きな家具の運搬中にケガをしてしまったり、床や壁を傷つけてしまったりするリスクもあるため、無理のない範囲でお願いすることが大切です。
荷物を一時的にトランクルームへ預ける
自力での搬出入や日程調整だけでは対応しきれない場合には、トランクルームを一時的な荷物の保管場所として活用する方法もあります。収納の専門的な観点から見ても、このやり方はいくつかの場面で心強い味方になってくれます。
退去日と入居日がぴったり合わないときや、荷物量が多くて業者に頼れないときなど、状況に応じてどんなメリットがあるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
退去日と入居日が合わない場合に活用できる
賃貸物件では、旧居の退去日と新居の入居日が数日〜数週間ずれてしまうことが珍しくありません。そんなときにトランクルームを挟んでおけば、いったん荷物をすべて預けてから、入居可能になったタイミングで少しずつ運び込むことができます。
実家に一時的に身を寄せる場合でも、荷物だけは別の場所で保管できるので、生活スペースを圧迫せずに済みます。
分割して荷物を運ぶ
トランクルームがあれば、すべての荷物を一度に運ぶ必要がなくなります。
まずは当面の生活に必要なものだけを新居へ、それ以外は一旦トランクルームへという形で分割搬送ができるため、レンタカーや宅配便、家族の手伝いといった複数の方法を組み合わせながら、無理のないペースで引っ越しを進められます。
| 分割搬送の組み合わせ例 | 向いているケース |
|---|---|
| 宅配便+トランクルーム | 荷物量が少なめで、生活必需品を先に新居へ送りたい場合 |
| レンタカー+トランクルーム | 大型家具は自力で運び、季節家電など不要なものは一時保管したい場合 |
| 家族の協力+トランクルーム | 手伝ってもらえる日が限られており、複数回に分けて運びたい場合 |
荷物を減らすことで引っ越し費用を抑えられる場合がある
引っ越し料金は、荷物量やトラックのサイズによって大きく変わります。
シーズンオフの家電やアウトドア用品、思い出の品などをあらかじめトランクルームへ移しておけば、当日運ぶ荷物そのものが減り、より小さいトラックや少ない人数でも対応できるようになります。結果として、業者への依頼費用を抑えられる可能性が広がります。
繁忙期を避けて引っ越す選択肢が広がる
荷物の一部を先にトランクルームへ移動させておけば、新居への本搬送を繁忙期からずらして計画しやすくなるというメリットもあります。急いで全部を運び切る必要がなくなるぶん、日程に余裕が生まれ、料金の高い時期を避けながら落ち着いて引っ越しを進められるようになります。
引っ越し難民を避けるために、早めの準備と柔軟な選択を
引っ越し難民という言葉が聞かれるようになった背景には、繁忙期への依頼集中やドライバー不足、2024年問題による輸送能力の低下など、いくつもの要因が重なっています。
早めの見積もり依頼や日程調整はもちろん、いざというときにはレンタカーや宅配便、トランクルームといった選択肢を組み合わせることで、慌てずに新生活のスタートを切ることができます。自身の荷物量やスケジュールに合った方法を、無理のない範囲で選んでみてください。

株式会社加瀬倉庫 IT戦略推進部所属。
【資格】
整理収納アドバイザー1級
WEBを活用した集客施策を担当しています。
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