2026年「高齢親の持ち物・生前整理問題に関する実態調査」完全版


高齢化の進行にともない、「実家じまい」「生前整理」という言葉が広く使われるようになっています。親の持ち物とどう向き合うかは、多くの家庭にとって身近な課題です。
65歳以上の親(または元・親)を持つ699名を対象に「高齢親の持ち物・生前整理問題に関する実態調査」を実施しました。
調査概要
- 調査期間:2026年8月20日〜2026年8月31日
- 調査対象:65歳以上の親(または元・親)がいる全国の男女
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:634件(総回答699件のうち、対象となる親がいない65件を除く)
- 回答者の年代:50代41.2%、60代以上25.7%、40代23.3%、30代8.0%、20代1.7%
※本記事に掲載しているアンケート結果・調査データを引用される際は、引用元として「加瀬倉庫」を明記し、本記事のURLへのリンクを設置していただきますようお願いいたします。
実家に「物が多い」と感じる人は65.6%

回答者の親の健在状況は、父・母ともに健在が38.3%、母のみ健在が32.6%、父のみ健在が6.6%、両親とも他界(実家の片付け・遺品整理の経験がある、または現在進行中)が22.4%でした。

親または親の家に「物が多い」と感じるかを尋ねたところ、「とても感じる」が36.9%、「やや感じる」が28.7%となり、合わせて65.6%が物の多さを実感していると回答しました。実家に足を運ぶたびに物の量を意識している人が、回答者の3人に2人にのぼる結果です。
不安・心配ごとの1位は「使っていない物が多い」

親の持ち物や荷物について不安・心配に感じていることを尋ねたところ、最も多い理由は「使っていない物が多い」(42.1%)で、物の量そのものへの不安がもっとも大きいことがわかりました。
同時に、「将来、自分や家族が片付けることになりそう」という回答も4割近くにのぼり、いずれ自分が処理を引き受けることになるという先読みが、不安の大きな部分を占めています。
実家にある物のうち「将来、整理や処分に困りそう」なものランキング
親の家にある物のうち、将来の整理・処分に困りそうな物を複数回答で尋ねた結果は以下のとおりです。

1位は「衣類」で41.2%でした。2位「家具」(38.3%)、3位「写真・アルバム」(32.2%)、4位「仏壇・仏具」(27.3%)、5位「食器・調理器具」(24.0%)と続きます。
量が多く処分に手間や費用がかかりやすい日用品カテゴリーが上位を占めるなか、3位の「写真・アルバム」は量の問題というよりも、思い出の品であるがゆえに手放す判断が難しいという別種の悩みを表しています。
4位の「仏壇・仏具」も、宗教的・慣習的な配慮が必要で処分方法に迷いやすい品目です。
実家の片付けで困った・悩んだ経験を自由回答で尋ねたところ、次のような声が寄せられました。
- 「使わない物が多いこと特に陶器、古い家電」
- 「重量のある金庫は自分では動かせない」
- 「電化製品の処分が家電リサイクル法によって簡単に処分出来なかった」
- 「撮りためていたDVD・写真」
- 「兄弟間で残す・残さないの判別で意見が割れる」
- 「タンスが二階にあり、階下に移動させるのが大変」
- 「日本人形が何体かあったが、どう処分していいのか分からなかった」
- 「大量の写真をどう処分するか悩んだ」
- 「着物の価値が今ひとつわからず、買取業者に安く買い叩かれそう」
- 「薬品類や使いかけのエアゾル等、家庭ゴミでは引き受けてもらえないものの処分」
- 「仏壇の移動や引っ越し、坊さん呼ぶ必要あるのか?」
- 「先祖代々の遺影関係」
品目そのものの多さだけでなく、大型・重量物の運搬、法規制に関わる処分手続き、親族間の意見の相違など、実務レベルでの具体的な困難が浮かび上がります。
生前整理を親と「具体的に話し合ったことがある」人はわずか9.8%

親と「持ち物の整理・生前整理」について話したことがあるか、という質問では「具体的に話し合ったことがある」は9.8%にとどまりました。
「軽く話題にしたことがある」は35.6%、「話そうと思ったことはあるが、話せていない」は27.6%、「話そうと思ったこともない」は27.0%で、踏み込んで話せていない層は合わせて54.6%にのぼります。
話せていない理由を複数回答で尋ねたところ、次の結果になりました。

もっとも多い理由は「話すきっかけがないから」で、「親が嫌がりそうだから」「『死』を連想させる話題だから」が僅差で続きました。
デリケートな話題であるがゆえに、話を切り出すきっかけの乏しさと心理的な抵抗感の両方が会話を止めていると考えられます。
親と話した際に印象に残っている反応・会話を自由回答で尋ねたところ、次のような声が寄せられました。
- 「死んだらあなたに任せる、と、自分は生前に片付ける気は無いようだ」
- 「親は自分のものが減る=寿命という感覚があり、ものを減らすことが、早く死ねと思っているところがある。周囲でも同様の意見が聞かれた」
- 「するつもり、と言いつつ、何十年もやってない」
- 「まだ使える」「もったいない」
- 「母本人も今後の為には生前整理が必要だと言うことは充分理解していますが、動き出すタイミングがない様です」
- 「少しでも体の動くうちに、という会話が印象的だったし、実際その数年後には体力的に厳しい状況となった」
- 「自分がいなくなったら、親戚の言うことは気にせずに家は処分して、好きな所に行って好きなことをしなさい、と言ってくれた」
- 「本人が元気なうちに、ほとんど捨てている」
- 「やれることはできるだけやっておくと言われたこと。ありがたい」
- 「自分の大事なものを由来とともに説明された。本人も話したかったようでした」
生前整理という話題への受け止め方は家庭によって大きく異なり、先送りにする声と、すでに元気なうちから自主的に取り組んでいるという声の両方が見られました。
親自身の生前整理は約半数が「進んでいない」

親が現在、持ち物の整理・生前整理をしているかを尋ねたところ、「ほとんどしていない」(25.1%)、「まったくしていない」(22.2%)を合わせて47.3%が取り組みが進んでいないと回答しました。「積極的に進めている」はわずか9.6%です。
子世代が実際に片付けを手伝った経験については、「ないが、今後手伝いたい」が31.7%、「ない・今後も予定はない」が25.4%となり、手伝った経験がない層が57.1%を占めました。
整理の難しさは「物量」より「感情」と「判断」
実際に整理を進めるうえで難しいと感じることを尋ねたところ、次の結果になりました。

物理的な量の問題以上に、感情や判断に関わる難しさが上位に並びました。自由回答でも、次のような具体的な声が寄せられています。
- 「捨てようとすると止められる」
- 「勝手に捨てると怒る」
- 「ものが多いが、捨てたがらないので、勝手に捨てるのも可哀想だし難しいなと思います」
- 「貴重品の場所を伝えられたが、結局現在覚えていない。再度聞く必要がある」
- 「物の量を把握しようとしない。全部価値があるから処分できないと言う」
- 「とにかく物を捨てない。いつか使うかもしれないと何年も使っていない」
- 「物が明らかに多いのにそれに気が付いていない。捨てようとすると怒り出す」
親の意思を尊重したい気持ちと、実際には手をつけられずにいるジレンマが、多くの回答に共通していました。
将来の負担感は67.7%、負担の内容は「時間」「費用」「運搬」

将来、親の持ち物を整理・処分することへの負担感を尋ねたところ、「非常に負担に感じる」(32.2%)、「やや負担に感じる」(35.5%)を合わせて67.7%が負担を予感していると回答しました。
具体的に負担になりそうなことを複数回答で尋ねたところ、次の結果になりました。

「整理にかかる時間」「処分にかかる費用」「大量の物の運搬」が上位を占め、時間・費用・労力という実務面のコストがもっとも意識されていることがわかります。
「必要・不要の判断」や「思い出の品を処分する精神的負担」も上位に入り、実務面と心理面、両方の負担が意識されていることもうかがえます。
話し始めるべきタイミングは「親が元気なうち」

どのようなタイミングで生前整理の話を始めるのがよいと思うか、という質問では、「親が元気で、自分で判断できるうち」が44.3%でトップとなり、「親自身が片付けや整理を意識し始めたとき」(31.7%)が続きました。
「介護が必要になったとき」(22.6%)、「施設入居を検討するとき」(20.8%)など、何らかの変化を待つという回答も一定数ありますが、多くの回答者は変化を待つのではなく、元気なうちの早期対応を理想としていることがうかがえます。
親に伝えたいこと・聞いておきたいことを自由回答で尋ねたところ、次のような声が寄せられました。
- 「元気なうちに自分で整理して欲しかった」
- 「体が動くうちに、周りに出来るだけ迷惑をかけない方法を考え、少しずつで良いから処分をしてほしい」
- 「高価なものがどうかの判断ができないので、生前に伝えてほしい」
- 「大切な物を聞いておくことです」
- 「それぞれの持ち物にはそれぞれの思い出や思い入れがあると思うので、元気なうちにある程度整理ができればと思います」
- 「早めに希望や本音を聞けたら、子供としての心の準備ができるのですがなかなか難しいです」
- 「持ち物について、大切にしているものや残してほしいもの、処分してよいものを元気なうちに聞いておきたいです。また、通帳や保険、重要書類などの保管場所についても、家族が困らないよう文書レベルで共有しておいてほしいと思います」
- 「重要書類や重要物の所在」
- 「天国には物は持って行けないこと」
「早めに」という共通の思いを抱えながらも、それを言葉にして伝えられていない現状が、話し合い経験に関するこれまでのデータとも重なります。
トランクルームの活用状況と潜在需要

現在、トランクルームに親・実家に関係する物を保管しているか聞いたところ、「多く保管している」(8.8%)、「一部保管している」(14.0%)を合わせた現状の利用率は22.8%でした。「今後利用する可能性がある」(13.6%)を加えると36.4%まで広がり、潜在的な需要の大きさがうかがえます。

生前整理でトランクルームを利用するとしたらどのような目的かを尋ねた質問では、「捨てるか迷っている物の一時保管」(32.2%)が最多、「思い出の品の保管」(27.6%)、「実家を片付けるための一時的な荷物移動」(25.6%)が続きました。
即断で処分できない物の一時的な受け皿として、トランクルームが期待されていることがわかります。
まとめ
今回の調査から、次のようなポイントが明らかになりました。
- 実家の物の多さへの実感は65.6%、将来の負担感は67.7%にのぼり、いずれも回答者の3人に2人が抱えている
- 「将来、整理や処分に困りそう」な物の1位は衣類(41.2%)、2位は家具(38.3%)、3位は写真・アルバム(32.2%)
- 生前整理について「具体的に話し合ったことがある」人はわずか9.8%で、半数以上(54.6%)が踏み込んだ会話ができていない
- 親自身の生前整理は47.3%が「進んでいない」、子世代の57.1%が「手伝った経験がない」
- トランクルームの現状利用率は22.8%、今後の利用可能性を含めた潜在需要は36.4%にのぼる
生前整理を取り巻く社会的な動きと、トランクルームに求められる役割
「実家じまい」や「生前整理」という言葉が広く使われるようになりましたが、実際の行動や会話にはまだ大きな隔たりがあることが、本調査であらためてわかりました。自由回答からは、「死んだら任せる」「元気なうちに捨てている」など、親世代の受け止め方が家庭によって大きく異なる様子も見えてきます。
終活セミナーや遺品整理・生前整理の専門サービスが充実し、情報を得る手段は以前より増えました。それでも「具体的に話し合ったことがある」人はわずか9.8%にとどまり、情報が届いていないのではなく、知っていても行動や会話に移せていないのが実態だと考えられます。「死」を連想させる話題であるがゆえに、きっかけがないまま先延ばしになっている家庭が多いのではないでしょうか。
だからこそ、大がかりな「決断」を迫るのではなく、「まず何から手をつけるか」を軽い負担で試せる選択肢の存在が、最初の一歩を後押しする鍵になると考えます。当社としても、トランクルームという「一時保管」の選択肢を通じて、判断を急がせず段階的に整理を進められる環境づくりに取り組んでまいります。

株式会社加瀬倉庫 IT戦略推進部所属。
【資格】
整理収納アドバイザー1級
WEBを活用した集客施策を担当しています。
トランクルームに興味をもっていただけるよう、みなさまに役に立つ情報を発信していきます!







